内容説明
謎の出生、華やかな登場と盗作疑惑、称賛と非難を浴びつづけた作品群、のぞき魔事件、四十七歳での早すぎる死…。スキャンダラスな男の生涯と作品を、デビューから身近で接してきた著者が精緻に解明する。
目次
春一番の日
のぞき魔事件
かれが登場したとき
身体性あるいはその煉獄
逆説的な存在
江藤淳のことなど
三沢・疾走する野の馬
青森・雪の基督降誕劇
恐山・テラヤマの原点
仕掛けられた迷路
創作法または脱出の方法
ＡとＢとの遊戯問答
龍女昇天
現実は復讐する
形式としての死
感想・レビュー
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私的読書メモ3328
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あとがきに「テラヤマの方法で書こうとおもい」とある通り、読みものとしてはおもしろいですが、寺山修司の真実に迫りたいというには向きません。「寺山修司を修士論文に選んだ女性」に向けた書簡という形式を採っていることと、どうにも大仰な演劇めいた言い回しは、どうにも鼻につくことも多いですが、一定の効果は上げていると思います。2016/02/12
