むこうだんばら亭

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  • サイズ B6判/ページ数 259p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104393022
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

灯が静かに落ちる頃、行き場をなくした男と女が今日もその裏木戸をたたく。港町銚子を舞台に生の厳しさとぬくもりをしっとり描く、著者初の連作シリーズ。

内容説明

海の厳しさは身過ぎの厳しさであり乗り越えれば生の喜びでもある。“とっぱずれ”に暮らし、強風にさらされながらそれぞれの海を見つめる人達。哀しいほど潔くあるいはしたたかに生きる男女を描く全八篇。

著者等紹介

乙川優三郎[オトカワユウザブロウ]
1953(昭和28)年生まれ。1996年『薮燕』でオール読物新人賞、1997年『霧の橋』で時代小説大賞、2001年『五年の梅』で山本周五郎賞、2002年『生きる』で直木賞、2004年『武家用心集』で中山義秀文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ふじさん

80
だんばら波の逆巻く突端の地銚子の「いなき屋」の主人の孝助とたかを中心に、哀しいほど潔く、あるいはしたたかにたくましく生きる男女を描いた連作。幸助とたかを初め、出てくる老若男女のそれぞれの生き方に強く心を打たた。特に、「旅の陽射し」の余命いくばくもない元藩医意伯と万夫婦の老境を迎えた二人の有り様には、心を奪われた。「希望」の孝助とたかの境遇と似た友造とおきんの顛末も、それぞれの思いが巧みに描かれていて、心に残った。孝助とたかの生き様が心惹かれるし、最後の終わり方にも救われた。筆者の巧みな筆さばきには脱帽だ。2025/09/07

ぶんこ

28
千葉の銚子が舞台の小説。 本の内容よりも、銚子の海が漁師にとっては、荒れて怖い海だというのに、ただただ驚かされました。 犬吠埼は遠足で行った地。 銚子といえば醤油。 同じ関東圏では、荒れる漁港、海との印象がありませんでした。 それだけに、イワシが穫れなくなって、娘を身売りしなくてはならなかったり、当時の働いても働いても食べることもままならない世の中に、読むのが辛くもなりました。 しかし小さな居酒屋を営む孝助さんと、その孝助さんに身請けされた、たかさんの二人が、あまりに優しいので、読後感は爽やかでした。2014/07/23

星落秋風五丈原

14
珍しく乙川さんの現代を舞台とした話。2005/03/01

ふみえ

4
ブックオフで偶然見つけ、あらすじも分からず買ってしまった。題名のイメージとは全く違ったが、良い作品でした。舞台は漁師町の銚子。それぞれの事情を抱えた人々が、飲み屋「いなさ屋」にたどり着き、再生していく。背負ったものは苦しく辛いけれど、新たな一歩を踏み出していく力強さが清々しくもあった。2012/11/19

あいちょ。

3
図書館。 ・行き暮れて ・散り花 ・希望 ・男波女波 ・旅の陽射し ・古い風 ・磁笛 ・果ての海 2024/03/23

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