俺俺

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  • サイズ B6判/ページ数 251p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104372034
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

なりゆきでオレオレと詐欺をしてしまった俺は、気付いたら別の俺になっていた! 目に見えない戦場と化した現代社会で個人が生きる意味を問う衝撃的問題作。

内容説明

マクドナルで隣り合わせた男の携帯電話を手に入れてしまった俺は、なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった。そして俺は、気付いたら別の俺になっていた。上司も俺だし母親も俺、俺でない俺、俺ではない俺、俺たち俺俺。俺でありすぎてもう何が何だかわからない。電源オフだ、オフ。壊ちまうす。増殖していく俺に耐えきれず右往左往する俺同士はやがて―。孤独と絶望に満ちたこの時代に、人間が信頼し合うとはどういうことか、読む者に問いかける問題作。

著者等紹介

星野智幸[ホシノトモユキ]
1965年ロサンゼルス生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、新聞記者をへて、メキシコに留学。97年「最後の吐息」で文藝賞を受賞。2000年「目覚めよと人魚は歌う」で三島由紀夫賞、03年『ファンタジスタ』で野間文芸新人賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とら

121
何かすべてが一息のうちに始まって終わった様な読後感。わけわかんねええええ、ってなるのはもちろん「俺」もそうなのだけど、読者もわけわかんねええええ、ですよこれはもう(笑)誰が誰で誰が誰と入れ替わっているのかごちゃごちゃしてて仕方ないからそこらへんは勢いで読んだ。とりあえず、「俺」がいっぱいいるのって怖い。でもどの「俺」も俺だから困る。まあ大体みんな同じことを思ってるってことで、過去を見ないで自分を見失うなと言いたいのだと思う。それに気づくのも「俺」に食われて体ばらばらになった時だから凄い。ユーモアが抜群!2013/05/06

ねむねむあくび♪

59
誰にも読まれていないPTA図書の本(笑)(  ̄▽ ̄)お初の作家さんだったが、ブラックでシュールでグロテスクで面白い…( ̄∀ ̄)昔の筒井康隆や椎名誠のSFを思い出した。多重人格物好きな人にお勧めかな?個としての人格が、『俺』という群れに変化していく過程も読みやすくユニーク。群れる喜び、共感する喜び、止まらない増殖、同族嫌悪、敵意、駆除(削除)、捕食…。メタモルフォーゼしていく『俺』達を、ぐるぐると堪能させていただきました( ̄∀ ̄)夏にぴったりかな(笑)面白かったです。2014/08/02

おいしゃん

50
【大江健三郎賞作品】「俺」が、オレオレ詐欺をしたことがキッカケで、無限増殖し、街中「俺」だらけに…。はじめは増殖の様子にゾッとし、後半は俺同士のいがみ合いにまたゾッとした。現代社会の風刺とも読める部分も多々。早大卒の作家だが、舞台は慶大キャンパスのある日吉で懐かしかった。2017/08/25

PSV

48
石井徹也の絵に惹かれて読み始めたのは言うまでもない。スラップスティック&不条理が織りなす俺俺ワールド。混乱しそうだが、意外にそうでもなく、ちゃんと太字のフォントが功を奏していた。ラストへ向けての空気感は素晴らしいものがあり、結末の見せ方にも唸る。ただ、もう少し何かを期待している自分がいるのだが、その何かが何かわからない。哲学的思索が、もう少し上手くエンタメと絡んだら最高なのに。  ★★★☆☆  「人類補完計画」?2012/11/12

ぽわん

46
(第5回・2011年大江健三郎賞受賞作)金太郎飴を切ったみたいに、あちらにもこちらにも俺が。まるで現代の日本人を現しているように思えて途中まではイッキに、でしたが。読後それほど悪くはないけれども映画は観ないなあ多分。2012/05/10

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