私のなかの彼女

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  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104346059
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ごく普通に恋愛していたはずなのに、どこかで何かがねじれた。母の呪詛。恋人の抑圧。仕事の壁。もがきながら生きる彼女と私の物語。

いつも前を行く彼と、やっと対等になれるはずだったのに――。待望の最新長篇小説。「もしかして、別れようって言ってる?」ごくふつうに恋愛をしていたはずなのに、和歌と仙太郎の関係はどこかでねじ曲がった。全力を注げる仕事を見つけ、ようやく彼に近づけたと思ったのに。母の呪詛。恋人の抑圧。仕事の壁。祖母が求めた書くということ。すべてに抗いもがきながら、自分の道を踏み出す彼女と私の物語。

内容説明

男と張り合おうとするな。みごとに潰されるから。祖母の残した言葉の意味は何だったのだろう。全力を注げる仕事を見つけて、ようやく彼に近づけたのに、和歌と仙太郎の関係は、いつかどこかでねじ曲がった。心血を注いだ渾身の長篇小説。

著者等紹介

角田光代[カクタミツヨ]
1967年神奈川県生れ。早稲田大学第一文学部卒。90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、97年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』で99年に産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2000年に路傍の石文学賞、03年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、11年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、12年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

barabara

230
仙太郎という人がイマイチつかめなくて、混乱しながら読んだ。和歌が惰性から自分がしたいことを理解した瞬間の、電気ショックに打たれたような目覚めが鋭くこちらまで伝わってきた。モノを書いて生活するのは並大抵では出来ない事だが、隙間産業を狙ってでも業界から離れなかった和歌には他人ながら拍手を送りたくなった。別の道を選び普通の人になってしまった仙太郎と、いつの間にか逆転しまった自我が冴え渡る和歌。この二人が久々出会うシーンは印象的で映像を見てるかのよう。普通の生き方が出来ない和歌を詰る母の言い分も分かるが、→続完2013/12/27

みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

145
ただ恋人を支えるためだけの将来を望んでいた女性が、一歩先を行く彼を追いかけるように物書きの道に踏み出していく姿を描いた物語。その20年に及ぶ道のりは自立の過程ではあるのだが、彼女が抱えた「認められたい」という願望の切実さと、それゆえに恋人の一言一言に振り回される心情が痛々しく、とにかく息苦しさばかりが迫ってくる。とはいえ、そう感じてしまうのも、自分もまた、他者との関係によってしか自分を見いだせていない一人だと思うからこそ。いろんな意味で自分を見つめ直させられた一冊で、その静かな余韻に今なお浸らされている。2014/08/29

藤枝梅安

130
この作家初読み。読書メーターをやっていなかったら出会わなかっただろうな。女子大生の和歌は実家の蔵を壊す前に祖母の書いたものと思しき小説を見つける。祖母に対して悪感情を持っている母の目を盗んで祖母のことを調べ始める。和歌自身が小説を書くようになり、祖母とその師匠らしき男性の遺作を調べるうちに、母への反発が募るとともに、和歌自身が祖母の人生をなぞっているような錯覚に陥る。無垢な少女の精神が年齢とともに変化していく様を女性ならではの視点で描いている。最終ページで彼女が祖母と同じ道を更に進んでいく予感がした。2014/02/01

ひろちゃん

124
深い。いたたまれない。同じ女として家族を見る目。同じ人間として家族を見る目。2015/12/27

matsu04

105
これは本当に角田らしい小説だった。仙太郎はいかにも角田小説に出てくる男らしかったし、仙太郎と和歌の間に徐々に生じる微妙なズレのようなもの(その生じ方に男の私としては違和感を覚えるのだが)も、まさに角田ワールドである。2015/02/28

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