内容説明
富小路禎子は旧華族に生まれ戦争を境に没落、さらに終戦を目前に最愛の母を病気で亡くす。失われたところからの出発は「幻のほうが濃く、現し身のほうが淡い」独特な歌の世界をつくった。不穏にして華やか、貴族院議員を失職した父に代わって旅館勤めをした若い日から七十代半ばの現在まで、精神の「乱」を求め激しく濃密な世界を詠み続ける当代一流の歌人の生涯。
目次
卵
父・家系
母・山国
会はざりし夫
引つめ髪の女
死・葬り
神から鬼へ
魂呼ばひ
白の呪力
死人花
桜
乱
著者等紹介
高橋順子[タカハシジュンコ]
1944年千葉県生まれ。東京大学仏文学科卒。出版社勤務を経て、法政大学日本文学科非常勤講師。「歴程」同人
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