内容説明
主人公=キャラクターとしての批評家・東浩紀。書き手=実在の批評家・東浩紀+実在のライトノベル作家・桜坂洋。ふたりに与えられた武器は「キャラクター」という古くて新しい概念。「私」とセックスと死を描く日本文学、その脱構築として。「自然主義的リアリズム」、その文学環境崩壊の中で。主人公・東浩紀は、分裂する。暴走する。その果てに…。
著者等紹介
東浩紀[アズマヒロキ]
1971年生まれ。哲学者、批評家。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。93年にデビューし、98年に出版した『存在論的、郵便的』(新潮社)で第21回サントリー学芸賞受賞。06年10月より、東京工業大学世界文明センター特任教授
桜坂洋[サクラザカヒロシ]
1970年生まれ。作家。集英社スーパーダッシュ小説新人賞最終候補作『よくわかる現代魔法』で、03年にデビュー。04年発表の短篇『さいたまチェーンソー少女』で第16回SFマガジン読者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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oz
12
初読。佐藤友哉の三島賞受賞の報に触れた東浩紀が友人のライトノベル作家桜坂洋に共作を持ちかけた結果、という枠組の小説。しかし桜坂洋の描く「東浩紀」というキャラクターに東浩紀は納得がいかず、結果「東浩紀」は三人に分裂してそれぞれに行動を始める。「東浩紀」の敵は日本的な「純文学」で、それと戦うためにあえて批評的にシュミレートされた純文学的な「私小説」という形式を選択する、というメタ小説である。高橋源一郎が非常に褒め、田中和生が批判し、後の新潮誌上で鼎談と成る。2011/10/15
AoiHinata
6
「文学は魔法も使えないの。不便ねえ」。ちょっと、むずかしくて。ところどころ、暴力的で気持ちわるかったけど。おもしろいところもあったよー。2010/07/11
xxxkayuxxx
6
前半はグダグダだし矛盾した綺麗事がタルい。東浩紀は面白いけどストーリーはちっとも面白くない。2010/06/28
デコボコ
5
お二人が楽しそうで何よりです。2014/01/21
もっさん
4
★★★★☆ 東浩紀の活動をある程度抑えてないと訳わかんない一冊。キャラクター小説批評に希望を託す本書だが、東氏自身が批評を見切ってしまった今となってはさみしい読後感を覚えるばかりだ。2010/10/12