鴎外のオカルト、漱石の科学

鴎外のオカルト、漱石の科学

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104241026
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

内容説明

西洋があみ出したサイエンスがひとり歩きを始めた十九世紀末。「進化論」が有色人種への偏見を正当化し、「進歩」と「覇権主義」が表裏一体だった時代のヨーロッパを、森林太郎と夏目金之助は身をもって体験した。鴎外の疑似科学=オカルトとの関わり、漱石の自然科学への強い関心は、日本が自分を取り戻し、「和製リアリズム」を獲得するための、したたかなプロセスだった…。

目次

第1章 漱石、科学、進歩(やむをえぬ近代の痛ましい科学;「科学」の発見、「事実」の発見;科学的言説との闘争)
第2章 鴎外、オカルト、秩序(鴎外の影法師;隠蔽のための叡智;欲望の連鎖の先)
第3章 リアルをめぐる闘争(史伝の目指すもの;写生は「リアル」を写し得るか;何がリアルなものを生み出すのか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

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4
ジャケがホモ臭い。漱石も鴎外の絵も写真の模写なのだが、二人の並びが絶妙な位置なので、漱石が鴎外に甘えて寄りかかっているように見える。刊行の1999年にしては古いセンスだ。題字の少し傾いだ感じも90年代前半までのスタイルだろう。90年代後半は「エヴァ」の影響で、明朝体の縦横の比率を変えたり直角に並べたりするデザインが流行りだった。妖しげな装画の上タイトルもやや奇抜なので、寧ろトンデモを期待して読み始めたのだが、ただ実際には真っ当な評論・評伝である。著者も医療に携わっているせいか、特に鴎外論に力が入っている。2018/07/21

Gen Kato

2
「歴史観は物語であることを免れず、小説も史伝も、歴史学でさえも、歴史そのものに到達することはありえない」「われわれは自分自身の現実の日常よりも、本に刻まれた文字をリアルで切実なものと感ずることがある。ここにおいて、文学と人生は逆転する」「文章はそもそも修練するものだし、表現方法は模倣することが出来る。主題を盗むことも、あるいは可能かも知れない。だが必然性は、その人自身の内部からわき起こる以外にあり得ない」…作者の漱石・鴎外への思い(とくに後者)がひしひしと伝わる評論。2019/05/21

BebeCherie

2
I was tempted to read this book becuase of the title. I don't think he got into deep enough to prove scientific side of Soseki and occultism of Soseki. :(2014/03/10

rbyawa

1
k047、前に探偵小説作品を社会背景から語っていてとても面白かったが、個々の作家についてはどうかな、と思ったが、これも面白かった(どっちか苦手な人多いよね)。自然主義作家など一部で「ん?」と思うことはあったものの、多分共有情報が悪いんだろうなこれ…。要は同時代の科学はまだオカルトとは完全には分離しておらず、鴎外氏も漱石氏も少なくとも周囲にはオカルト関係者がいたということとその扱いについて。鴎外氏の歴史作品に関しての資料の扱い方として「混沌としていて辻褄が合わない」ことこそを尊ぼうとしてるってのもいいなぁ。2021/01/22

猫丸

0
開化期日本が移入した世紀末西欧文化には、進化論とその劣化形態である社会進化論が含まれていた。進化礼賛と退化への恐怖が、時代思潮を支配する。鷗外、漱石も、この時代精神と対峙した。とくに鷗外への影響が強いことは初めて知った。意外に悲劇的だな、この人。2018/06/05

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