出版社内容情報
黒船来航で世情騒然。でも、あの人がいれば大丈夫。が、珠世も思い知る、時の流れは別れも連れてくることを。人気シリーズふたたび。
内容説明
黒船来航に大地震で世情騒然!でも、あの人の待つ家があれば大丈夫。不穏な時代を生き抜く人の知恵と日々の歓びを描く、大人気シリーズふたたび。
著者等紹介
諸田玲子[モロタレイコ]
1954年、静岡県生まれ。1996年、『眩惑』で小説家デビュー。2003年、『其の一日』で吉川英治文学新人賞、2007年、『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞、2012年、『四十八人目の忠臣』で歴史時代作家クラブ賞、2018年、『今ひとたびの、和泉式部』で親鸞賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
185
好きなシリーズだった。とうとう完結、大団円です。大きな時代の流れに、珠世さんから恵以さんに矢島家の家刀自も代替わり・・それでもやっぱり珠世さんで回っている。諸田作家が珠世さんのように生きたいと言う。私もそうだ。他人の幸せを羨まず、自分の不幸を嘆かない。『禍福はあざなえる縄』私も肝に命じよう!珠世さんの信条は恵以さんに引き継がれて、ラストも微笑ましい。いつか又矢島家の皆に会いたい。2019/12/15
真理そら
81
時代が幕末になっているので武士になりたい若者や仕官を望む人たちに複雑な気分になってしまった。恵以さんがキュッとえくぼをきざんで笑いだす結末の既視感が楽しい、この一家なら幕末から明治もタフに生き延びるよねと思ったり、完結編じゃないのにそんな気分で読み終えた。2020/06/17
ゆみねこ
77
また珠世さんに会えて嬉しかった。千客万来来るもの拒まずの矢島家も嫁の恵以さんにしっかりと引き継がれ、お鳥見役のあり方も幕末の動乱で変わりゆくことを暗示しながらの幕引き。ちょっと切ない別れもあるけれど、矢島家は変わらず笑顔に満ちあふれている。2020/12/29
雅
60
読書にハマり始めた頃から読んできたシリーズ。どんな状況に陥っても正面から受け入れてきた珠世さん。ホントに優しくて、温かくて、楽しい素敵なシリーズでした。2020/04/23
星落秋風五丈原
46
第一作が刊行されたのは2001年。遂に2020年にシリーズの幕が下りる。サイドストーリーとして、天保の改革を成し遂げた水野越前守忠邦が、時の権力者からあっという間に転げ落ちる様も描かれる。本編で優秀な若者として紹介される近藤勇の末路を想うと哀切の情が湧くが、シリーズはあくまで主要人物の話題で締めくくられる。第一作で華々しく?登場した居候の石塚源太夫と、彼を仇と狙っていた妻・多津の物語にも決着がつき、いつの間にか珠世の専売特許であったえくぼが、ほら、あの人の頬にも。 2020/01/16