出版社内容情報
主どのが家督を譲り、珠世もついに“お鳥見女房”を引退……。が、悩みや厄介を抱え、珠世を頼る者は跡を絶たない。シリーズ最新作。
主が家督を譲り、“お鳥見女房”も引退することに。が、珠世を頼る者は引きも切らない。大人気シリーズ最新作。矢島家はおめでたつづきだった。お鳥見役のつとめで遠国の密偵に出た嫡男は命からがら戻り、不妊だった嫁は懐妊、長女も初子に恵まれた。が、来る者は拒まずで、誰でも受け容れる珠世には、倫ならぬ恋や夫婦、親子の不和、不幸せな境遇ゆえに犯した罪の解決など難題が持ち込まれる……。知恵と慈愛に満ちた、円熟の連作短篇。
内容説明
矢島家はおめでたつづきだった。お鳥見役の務めで遠国の密偵に出た嫡男は命からがら戻り、嫁は懐妊、長女も初子に恵まれた。が、来る者は拒まずで誰でも受け容れる珠世のもとには、難題が持ち込まれる…。めぐりあえた喜び、好評シリーズ第七弾。
著者等紹介
諸田玲子[モロタレイコ]
1954年、静岡県生まれ。1996年、『眩惑』で小説家デビューを飾り、2003年、『其の一日』で吉川英治文学新人賞、2007年、『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
文庫フリーク@灯れ松明の火
97
【徳は孤ならず、かならず隣有り】論語を持ち出すまでもなく、えくぼの肝っ玉母さん・珠世には多くの理解者・応援者がいます。あの我が儘な鷹姫さまが、今や矢島家のよき嫁となり、沙耶という子を授かる。珠世不在の際は恵以が、鷹姫の凛とした心で矢島家の柱石となるのでしょう。後半2編「鷹匠の妻」「来春まで」はいずれも贖罪の物語。たとえ世間の誰一人知らずとも、自分自身の犯した罪を許せぬ以上『虚ろな十字架』ではなく、重い十字架を背負って罪を贖う男二人。あのしゃぼん玉売り、藤助のひょうきんな笑顔の下に隠された過去と贖罪。→2014/06/19
ゆみねこ
46
楽しく読み続けたシリーズもこれにてお別れ。少し寂しいけれど珠世さんの笑顔あっての矢島家、隠居した主殿と益々仲むつまじく過ごされるのでしょうね。鷹匠やお鳥見役など、あまり知らなかった御家人や旗本のことなどを垣間見ることが出来て大好きなシリーズになりました。2014/06/30
ちょるる
32
お鳥見女房シリーズ第7弾。本作で完結なのでしょうか?寂しい限りです。お鳥見役という仕事も初めて知りました。時代は違っても、基本となる女房のあり方や母親であり、姑であり、女性である心構えや、気の持ち方など色々珠世さんに教えてもらった気がします。来るものは拒むけれど(笑)最後まで居候ありなのは笑えました。でも源太夫一家は良い人たちでした。これから悩む事も多いと思いますが、そんな時は、珠世さんを思い出し自分を励ましたいと思います。2016/08/29
ひろん
23
今巻はお鳥見女房シリーズ中でもっとも不幸が起きなかった巻。あれもこれも丸く収まり、今まであった荒波がなく、いろいろな事が解決されていく。主人公の珠世は、おおらかで懐が深く思いも掛けない知恵が飛び出てくるところがとても好きです。主婦としても、母としても、妻としても完璧。この幸多い巻で完結なのかな?2013/07/08
くりこ
20
シリーズを通して色々な事があったけどまさに子孫繁栄を絵に描いたような家族の姿に癒されました。判之助と珠世夫妻の仲むつまじさが本当に素敵です。2016/05/19