出版社内容情報
朝鮮国に漂着した薩摩藩士のサバイバル×異文化交流を描破する巨編誕生! 私たちはとんでもないところまできてしまったのではないか……。文政二年、薩摩藩士らを乗せた船は暴風雨に襲われ、漂着したのは朝鮮国だった。使者とのやりとりは漢文での筆談のみ。官僚との交渉は遅々として進まない。それでも「言葉は通じない。だが真心は通じる」のも真実だった。望郷の念がかなうのはいつの日なのか?
【目次】
内容説明
文政二年、薩摩藩士ら二十五名を乗せた船は暴風雨に襲われ、辿り着いたのは朝鮮国だった。町田文学が冴えわたる、サバイバル×異文化交流巨編。
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
1962年大阪府生まれ。歌手活動を経て、1997年、初小説「くっすん大黒」でBunkamuraドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞、2000年「きれぎれ」で芥川龍之介賞、2001年、詩集『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、2005年『告白』で谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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starbro
141
町田 康は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、著者版朝鮮漂流、漢文書簡歴史譚でした。しかし江戸時代での厚遇、史実でしょうか❓ https://www.shinchosha.co.jp/book/421504/2026/02/10
パトラッシュ
139
映画『メッセージ』をはじめ地球人と異星人の意思疎通の難しさがテーマのSFは数あるが、本書も似たようなものか。手軽に旅行できる今日でも外国の常識や考え方との落差に驚くが、外国人との交際など皆無な江戸時代の武士には異世界に漂着したようなものなのだから。ほぼ9割を占める朝鮮側から帰国への支援を引き出そうとする薩摩藩士の交渉描写は、話の通じぬ相手と話さざるを得ない苦闘が身にしみる。現代でも露骨な自国第一主義の米中ロと交渉する外交官は、同様な労苦を感じているのかも。その意味でサバイバル外交小説と称せるかもしれない。2026/02/15
路地
37
大好きな町田康さんの新作。同じ「口訳」物の『太平記』や『ギケイキ』と比べて最近の町田さん独特のくどいほどの文体ギャグが控えめなようで、それにより物語の面白さが際立っているように感じた。作中では日本人と朝鮮人による母語ではない漢文による筆談がずっと続いているから、意図的に言い回しを簡潔にしているのかな。シンプルな文体により、主人公の心情が直接的に伝わってくるようで、物語の先行きも気になりあっという間の読了だった。2026/04/30
baba
30
兎に角時間がかかった。薩摩藩士安田義方沖永良部島代官附役の任を全うし薩摩に戻る途中、漂流し朝鮮に流される。漂流は646ページにわたる物語の59ページまでで、その後は言葉が通じず、意思の疎通は漢文のみ。朝鮮の役人と安田と筆談交渉が延々と続く。責任逃れの役人や友好的な役人と様々相手と筆談しながらも、安田は、薩摩藩士としての矜持を持ちつつ立ち向かう。上陸できないことからたらい回しされながら読み手も忍耐を強いられる。長かった。2026/05/11
そうたそ
10
★★★☆☆ 船が難破し朝鮮国に漂着した薩摩藩士たち。言葉が通じず、意思疎通の手段は漢文のみという中で、彼らは祖国に帰ることは叶うのか――。薩摩藩士・安田義方が記した「朝鮮漂流日記」をベースとして書かれた大作。読む前は「ギケイキ」みたいな語り口になるのかな、と思っていたが、読んでみれば実直な歴史小説。もちろん著者ならではのユーモアが垣間見える部分もあるが、総じて原典に忠実。言語が異なる中でいかにコミュニケーションを取っていくのかという面白さもあるし、一種のサバイバル小説としても面白い。2026/02/27
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