内容説明
政治犯Ｓが収監された刑務所は、凶悪犯専門の監獄だった。そこの更に最底部の独房舎では、囚人に対する極度の合法的リンチと重労働が課せられ、看守への絶対的服従を強いられる。異分子に対しての徹底的な自我の破壊、尊厳の否定が恒常化していた。果てしなく繰り返されるＳへの攻撃。「正常」でいられること、自己と創作活動を守り保つための権力との凄絶な闘いの末に…。十二年におよぶ獄中生活のすべてを賭けた渾身の衝撃作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かごめ
1
暴力と理不尽と饐えた匂い。正常と異常の紙一重さと、人間の脆さ。難しいことは分かりませんが作者の方が真っ直ぐぶつかって書かれてる作品だと思いました。揺るがない精神観を持ってる方だと思います。2014/08/23
シミバチョフ
1
僕の中では見沢知廉さんの真骨頂であり、最後の見沢知廉。2011/09/24
aquirax_k
1
個人的には見沢 知廉の最高傑作だと思います。
