死への扉―東海大安楽死殺人

死への扉―東海大安楽死殺人

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  • サイズ B6判/ページ数 397p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104134014
  • NDC分類 498.12
  • Cコード C0095

内容説明

1991年4月13日―執拗に繰り返される家族の懇請に青年医師は決意した。末期ガンに喘ぐ患者へ塩化カリウムが注射される。ほどなく死がおとずれた。しかし、事が明るみにでるや医師は殺人罪に問われるのだった。くい違う主張、錯綜する事実…果たして、それは求められた死ではなかったのか。事件の真相を徹底究明した衝撃のノンフィクション。

目次

第1章 ガンの発見
第2章 容態の急変
第3章 安楽死への道
第4章 延命至上主義
第5章 懲戒解雇
第6章 起訴
第7章 裁判の歪な構図
第8章 被告人尋問
第9章 判決

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hatayan

33
1996年刊。ガンで余命わずかな父を「楽にする」処置を医師に執拗に迫る息子。要求にやむなく応じる形で薬物を投与する医師。本人の同意がなかったこと、説明が十分でなかったことが問題に。裁判では、殺人を唆した疑いから逃れようと保身を図る息子、検事に容赦ない追及を浴び肝心なところで煮え切らない医師が交錯、医師が執行猶予付きの有罪判決を受けます。 本人の意志が確認できない場合家族は患者の意志を代弁しうるか、あまりに特殊な患者家族を前にしても医師は人格者であり続けなければならないのか、もやもやしたものが残る一冊です。2019/04/28

よしじ乃輔

4
約25年前の終末期医療は延命至上主義から、自身が決定へと移行しつつある過渡期の事件。延命と無治療を短期間で医師に伝えてくる家族。大学病院内のチーム体制があったにも関わらず家族からの都度都度変わる要望を1人で抱え込んだ担当医師。医師としての図太さ(患者からは冷たさになるのか)がある事も資質の一つなのかもしれません。処置を行わない「消却的安楽死」迄が出来うる限度とする今、もう一歩議論が進む事を望みたい、と思う読後でした。2022/10/30

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