内容説明
死は、私たちの懐かしい隣人である。身近な人びとの死、文学や美術作品の中の死、そして、著者自身が抱く死のイメージ―。さまざまな『死』の横顔を媒介に、エッセーとヴィジュアルが切り結ぶ『死のコレクション』。
目次
爆弾三勇士
周五郎と夏彦
三世紀
サヨナラだけが人生だ
死にたがる役者
嘘だと思うなら死んでみろ
不死
ダイイング・メッセージ
また立ちかへる
昭和のいのち〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yn1951jp
33
久世光彦と北川健次、二人が見つめた≪死のコレクション≫…ポーは≪死≫つまり≪生の終焉としての死≫をあんなに怖れ、悶えながら書きつづけた…イギリスでポーの血を恭しく飲んだのは、オスカー・ワイルド一人かも…Nevermore! 私なら≪そこに死が!≫とでも訳そうか…川端の小説はどれもこの世のことの向こうに古代の湖のような鈍色の死を見ている禽鳥の目で書かれている…彼の自裁は禽鳥の目が弱ったのを知ったから…私には三島の死が、何かあるいは誰かを救うための≪身代わり≫に思えてならない。表紙も素晴らしい。2015/08/14
よみ
11
期待通りに面白く、期待した以上に美しい。難点があるとすれば、オブジェ化した江戸末期の土俗人形の写真が怖すぎることくらいでしょうか…。2019/03/13
kiko
2
20年以上前にジャケ買いしたのをようやく読了。今はもう鬼界の人になってしまった久世氏の、死というものへの思慕にも似たさまざまが綴られる。厚手の真白な紙にたっぷり余白をとって印字された文字、挟み込まれた美麗な写真の数々。Kindleでは得られない持ち重りする紙の本の頁を繰る愉悦を味わう。2024/05/19
ミルル
1
久世光彦さんの周りの「死」にまつわる話。エッセイ「怖い絵」も好きだが、この本も感覚的に、好きだ。文章も美しい。 2010/11/26
ミメイ
0
☆5
-
- 和書
- 特許法入門 (第2版)