子規の音

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  • サイズ B6判/ページ数 393p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104100040
  • NDC分類 911.36
  • Cコード C0095

出版社内容情報

子規を読むことは、五感の解放である――。
生誕150年のいま読むべき力作評伝。

三十代前半で病に伏した正岡子規にとって、目に映る景色は根岸の小さな家の、わずか二十坪の小園だけだった。動くことのできない子規は、花の色や匂い、風の動きや雨音などで五感を極限まで鍛え、最期まで句や歌を作り続けた。幕末の松山から明治の東京まで足跡を丹念に辿り、日常の暮らしの中での姿を浮かび上がらせた新しい子規伝。

内容説明

病に伏した子規は目に映る景色で五感を鍛え、最期まで句や歌を作り続けた。幕末の松山から東京まで足跡を丹念に辿り、日常生活の中での姿を描き出す新しい正岡子規伝。

目次

松山の人―慶応三年~明治十六年
東京転々―明治十六~十九年
神田界隈―明治二十年
向島月香楼―明治二十一年
本郷常盤会寄宿舎―明治二十二年
ベースボールとつくし採り―明治二十三年
菅笠の旅―明治二十四年
谷中天王寺町二十一番地―明治二十五年
下谷区上根岸八十八番地―明治二十五年
神田雉子町・日本新聞社―明治二十六年〔ほか〕

著者等紹介

森まゆみ[モリマユミ]
1954(昭和29)年東京都生れ。早稲田大学政治経済学部卒業、東京大学新聞研究所修了。出版社で企画・編集を手がけた後フリーに。1984年、地域雑誌「谷中・根津・千駄木」創刊、2009年まで編集人を務める。1998年に『鴎外の坂』で芸術選奨文部大臣新人賞、2003年『「即興詩人」のイタリア』でJTB紀行文学賞、2014年に『「青鞜」の冒険女が集まって雑誌をつくるということ』で紫式部文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ

43
森さんの本は当たりはずれがない。根岸谷中を深く愛する筆者ならではの作品と言えるし、子規がいかにこの界隈を愛し生を全うしたかが解る。大きく評判を得ないのが不思議なくらいの秀作。筆者と同じく私ものぼさんでなく子規と呼びたい世界を彼の圧倒的数の短歌と共に種々のエピソードが面白い。いとも簡単の生が消えていったその時間・・一葉もほかの才人も。妾宅がずらりと並んでいた当時の風景、明治期は勝ち組の藩、冷飯を喰らわされた藩、それにも及ばず貧乏士族の・・子弟も出自で運命的に様々なスタートを切らされたというエピソードは泣く。2017/10/09

pirokichi

22
谷根千の森まゆみさんによる正岡子規伝。「はじめに」の「評価とは別に、私は子規が好きでたまらない。俳句、短歌のみならず、随筆も書簡も好き。字もなんとなく好き。絵も好きである」を読み、私もよ~と、いきなりテンションが上がった。病に伏した子規は五感をフルに働かせ最期まで句や歌を作り続けたが、著者は子規が耳を澄ませた音に注目する。子規の妹・律に対する辛辣さは有名だが、一家の主たる子規が最も耳を澄ませたのは大切な母や妹が発する音、気配ではなかったか。律が碧梧桐夫婦と出かけて嬉しそうだったと喜ぶ子規が好きだ。2022/08/08

Gen Kato

5
読み応えある評伝。森まゆみ氏らしく、明治の東京を丹念に描き出してくれています。子規が過ごした場所、土地鑑のあるところが多くて何だか嬉しい。子規の随筆、句、歌(絵もすごい)、大好きなんだけどこの男、妹にはとことんひどいんだよなあ…2019/03/17

好奇心

4
正岡子規、人柄・行動・生涯とも波乱万丈、36歳の人生倍の人生を濃く生きた、脊髄カリエス結核に負け全国を巡り、人脈の広さ、人を集める力、ベースボールを野球に和訳、史上の歌人の詩をけなし、どこからこれらを支えた資金を得たのか、終焉の日にも俳句をつくり食べ物に執着した、近代日本の生んだ知識人のひとりである、脊髄は壊れ片肺はなく、土葬された、生涯いくつの俳句を作ったか、痛かったのでしょう、母・娘さん看病本当にご苦労様でした、子規庵訪れてみたい2017/06/07

けろ

3
子規の生涯にわたる句や歌、人間関係、足跡を拾い上げた労作。折々の句や歌を「音」という独自の着眼点を交えて紹介していて、何より友人や弟子知人について丹念に描いてあることで、多くの知識を得ることができた。子規の足跡を追い「古いことを聞くには神社に限る」と神社に聞き取りをしたり、関係者の墓碑銘を読むなど丁寧な取材をしていて探訪記としても楽しめた。2020/01/06

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