内容説明
カタクリ咲く雑木林、闇に流れるホタルの炎、軒下の干し柿、霜をつけたノバラの葉…。棚田が広がる湖国・滋賀県を舞台に、小さな生命と人々の暮らしを清冽に撮り下ろした最新写真集。
目次
静かなドラマ
春
夏
秋
冬
著者等紹介
今森光彦[イマモリミツヒコ]
1954年滋賀県生まれ。写真家。琵琶湖をのぞむアトリエを拠点に、長閑な農業環境に生きる小さな生命たちと、そこに生きる人々との関わりを撮り続ける。新しい視点で自然環境をさぐる試みは、国内だけでなく海外でも高く評価され、『今森光彦・昆虫記』(福音館書店・1988年)はフランス語版、ドイツ語版、韓国語版などが刊行。初の撮影監督を務めた記録映像『今森光彦の里山物語』(2000年)は全国各地で一般公開され、大きな注目を浴びた。第48回毎日出版文化賞(1994年)、第20回木村伊兵衛写真賞(1995年)、第42回産経児童出版文化賞・大賞(1995年)などを受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
楽園への本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
40
湖東で撮影されたホタルの写真のほかは、全部滋賀県の湖西地方で撮影されている。比較的琵琶湖にも近いはずだが、映像はひたすら「山」「里山」のイメージで彩られている。ひっそりとしているように見えて、たしかに誰かが通ったあとが感じられる風景。里山とはそんなところだ。そんなことばがあることも著者の本に教えてもらったように思う。撮影からおそらく25年以上過ぎているから、もう同じ景色に出会えるかどうか。そうでなくてもノスタルジーにみちた画面は、行ったこともないのになつかしい。観光名所では見ることができない日本の姿だ。2025/04/23
KAZOO
14
この本は見て楽しむ本です。気持ちがつかれたときなどにぱらぱらとめくっていると心が癒されてきます。今森さんは里山や昆虫などの写真集をいくつか出されていますが、この本は日本の失われていく里山をただ景色を撮るということではなく変わった観点から見せてくれるので飽きが来ません。2014/01/19
saladin
4
里山には訪れたこともないのに懐かしい気持ちになる。どこかで映像を観たのか、それともDNAに刻まれているのか…。里山は失われつつあるらしいが、本写真集に掲載された美しい景色は今も観られるのだろうか。今観られるとしても、果たしてこの先残されていくだろうか。2022/05/04
deerglove
3
なんといっても棚田が美しい。今森さんいわく「心臓からはきだされた血液が毛細血管によって細胞にいきつき栄養を受け渡すように、田んぼに張りめぐらされたあぜもまた、里山という宇宙の末端で、田畑の中に生気を伝達している。」2012/09/29
pocco@灯れ松明の火
2
図書館で立読み&博物館で立読み。 里山に帰りたくなる私であった。(やっぱ、山猿なのかな)2013/05/02