著者等紹介
重松清[シゲマツキヨシ]
1963(昭和38)年、岡山県生まれ。出版社勤務を経て執筆活動に入る。’91(平成3)年、『ビフォア・ラン』でデビュー。’99年、『ナイフ』で坪田譲治文学賞を、『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。2001(平成13)年、『ビタミンF』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
101
恵美とブン、二人の姉弟を軸にした連作短編。いじめや、ライバルとの葛藤、そして大切な友だちとの別れ。読み進めるうちにジンときます。「ぐりこ」の話が印象的でした。そう、神様は不公平。グーしか勝てない子そもいるし、チョキやパーでどんどん進んで行く子もいる。でも、いいじゃん。ゆっくり自分のペースで進んで行こうよ。惜しむらくは主人公というよりも、親の目線で読んでしまうこと。もっと若い時期に読む本でしたね。★★★+2013/10/20
たるき( ´ ▽ ` )ノ
100
友だち。捉え方は人それぞれだけど、私にとってはかけがえのない存在だな。ストレートな感情が描かれた小説で、いろんなところに共感できる。もこもこ雲、見つけたいな。2015/10/08
とろこ
95
感涙。とても良かった。恵美の「友だち」の捉え方に深く共感した。「『みんな』が『みんな』でいるうちは、友だちじゃない、絶対に」「いなくなっても一生忘れない友達が、一人、いればいい」恵美と由香が共にいられた時間は短かったけれど、密度は濃かった。恵美と関わった人々も、各話では主人公になり、周囲とぶつかったり自己否定感に苛まれながらも成長してゆく。恵美は、由香と友だちになったことで多くのものを得たと思う。そして、これからもずっと、由香は恵美にとって、『もこもこ雲』であり続けると思う。色々な世代の人々にお薦めの本。2017/04/08
kazu@十五夜読書会
84
文庫読了済み(ハードカバーも登録で、共読本に反映させる)小学4年生の時に交通事故に遭い、松葉杖が必要となった恵美と、成績もスポーツもクラス一番の人気者の、弟ブンこと文彦姉弟とその友だち達が交代で主人公となる10編の連作短編集。事故が原因でクラスで孤立する恵美。小中学校での友達関係に悩む姉弟が、恵美の同級生で病弱でいじめ対象になる由香との交流・絆が、人を信じることの大切さを学ぶ元になる。優しく読みやすい文章で、由香の病死もありハッピーエンドではないが、読後ほっこりやさしい気持ちになれる。続く⇒2013/02/26
糸車
83
過去の子どもの本の読書会課題本。お話そのものはよかったです。でも!全編大人が子どもに語りかける口調で進むのがどうにも気になって気になって。・・・鼻につくというのが正しいのかな、それが最後までぬぐえなくて作品の良さを正しく評価できないのが残念でした。実はわたしにとってこれが初の重松さん作品。その後、下の娘にどうしても読んでほしいと「卒業」を手渡されるまで敬遠していました(笑)。2016/08/17