内容説明
珊瑚礁に浮かぶ島カオハガン、そこには新しい人生があった―7年前、著者はセブ島の沖合10キロに浮かぶ小さな島全体を退職金で買った。自分の家を建て、美しい自然の中で350人の素朴な島民と一緒に暮らす日々…四季折々に吹き抜ける風や光、愉快で頼りになる仲間たち。「ほんとうの豊かさとは何か」「時間に追われない生活の素晴らしさ」を、爽やかな風のように問いかける一冊。
目次
第1章 カオハガン島までの長い航海
第2章 南西の風「ハバガット」の吹く季節
第3章 北東の季節風「アミハン」が吹きはじめる
第4章 乾季、そして島の夏
第5章 新しい風
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ruri
4
ものがあるって便利なことだし、生きやすくはなる。だけど一時の幸せに満足したらすぐにそれが当たり前になり、不都合さを嘆いてるんだろうな。 なにもないと不便だし、貧しい自分に悲しくなるかもしれない。だけど、自分の感情を真っ正面から受けとめられる時間はある。 豊かなんだけど心は乏しくなるというのか感じにくくなって、貧しいんだけど感情は豊かになるっていうのはすごくよくわかる。2016/03/15
Kunio Hanaoka
3
セブの隣のオランゴ島のそのまた隣のカオハガン島の話。田舎は好きだが、便利さに慣れ切った体は耐えられるだろうか。確かにフィリピンの人たちの笑顔はすてきだけれどね、特に子どもは。2018/06/04
書の旅人
2
20年も前に読んだ本を、今再び思い出すとは…。きっかけは椎名誠さんのエッセイ。違う本の照会だったが、崎山さんの名前を見た瞬間、当時の自分が蘇ってきた…。程度の差こそあれ、実現させたかったこと、これからやろうとしていることに対する信念は同じ。今また、他の著作も読んでみたくなったのも、“縁”があるからなのだろう。さぁ、まずはどの本から取り寄せようか…。
いが栗坊主
2
フィリピン・カオハガン島、無人島ではなく、350人が住んでいる島を買い、一緒に住んでいる。このいっしょに住んでる所が著者のすごいところで、いろんな文化・風習を取り入れながらも、島の未来をちゃんと考えてはる。。それが文章に素直にでていて気持ちがいい読後感。~自然を押し退けて物の「量」を求める文化はなく、自然に身をゆだね、時間の「質」を楽しんでいる~の一文に共感したわ。次作にいきます。2015/05/13
デンプシー
2
勧められてその方からお借りして読んだ。 カオハガン島を買って350人の先住民と自然の中で暮らしている崎山さんの1995年の本。幸福=財産÷欲望 という式が 後書きにあった。 お金で買えないものに 欲を持つということでもある。2014/10/19