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  • サイズ B6判/ページ数 199p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104018086
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0092

出版社内容情報

できるだけ少ない言葉で、詩を書いてみたい――誕生の謎、いま触れている感覚、死の向こうまで。軽やかにして豊饒な88篇の宇宙。

内容説明

できるだけ少ない言葉で詩を書いてみたい―誕生の不思議、いま触れている感覚、死の向こう。十四行に凝縮された軽やかにして豊かな88篇。2020‐21年に書かれた最新詩集。

目次

椅子を引き
気配が
老いて一日は
じっと
明日より今日が
世間の罅
夜 座っている
目が覚める
此処がいい
微かな生きものの
意味ではなく
海を見下ろす崖
ミエテキコエテ
赤児の笑みが
オナカそれとも
自然に生まれ
言葉にならないそれ
遠く離れた
日々の現実だけが
刻々の今を
私が
言葉の殻
分別の罪を
書いた言葉を
文字で
育んだものは
どの一生も
ゆっくり
有ると無いが
目覚めない朝を
黄昏は
もし死が
手で書き
静寂が沈黙を
これを
誰もが私なのに
本を閉じる
悪は
言葉は騙り
気持ちが
悲鳴と喃語
自他の
夜 瓶は
自然に帰依して
自然に帰依せず
昼と夜の
秋 落ち葉の
昨日は嘘
本にひしめく
事実が
言葉が落としたもの
記憶にないのに
裸の足で
青空は
意味よりも
昨日は
いつでもどこでも
無限に抱かれて
知ラナイノニ
音楽の束の間に
生まれる前の
問いがそのまま
寂しさに入る
永遠が恵む
あなたと
天から
自然は語らない
沈黙に
問いに
どこ?
なんでもない
欲は涸れず
死は私事
残らなくていい
死の色は
無はここには
水平線で
小さな黄色の花
姿なく
昨夜から
私はここに
そこにいつまでも
諦め故に
足は地を
ひと足
二月
無恥
いのちの無言
あとがき

著者等紹介

谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年東京生れ。詩人。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以来8000を超える詩を創作、海外でも評価が高まる。多数の詩集、散文、絵本、童話、翻訳があり、脚本、作詞、写真、ビデオも手がける。1983年『日々の地図』で読売文学賞、1993年『世間知ラズ』で萩原朔太郎賞、2010年『トロムソコラージュ』で鮎川信夫賞、2016年『詩に就いて』で三好達治賞など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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旅するランナー

224
言葉数を すっぱり 切り詰めた 十四行詩、言葉の殻を剥き 詩の種子を割り 余白を味わう、言葉の氾濫に 抗い 苦言し 飛び越える、ウン コワイクライ スバラシイ2021/10/09

アキ

94
谷川俊太郎による短い言葉の十四行詩。生と死、言葉と自然、宇宙と天地。これらの詩には、言葉を削ることで研ぎ澄まされる感覚が現れる。  <もし死が>もし死があるのなら そこから始める 私はもういないが虚空には在る至る所に 目に見えず耳に聞こえぬものに満ちて  <どの一生も>どの一生も言葉に尽くせない 一輪の花と同じく 唯一の星の地上に開き 誰の哀しみの理由にもならずに宙に帰る  2021/11/03

けんとまん1007

69
あとがきを読んで、なるほどなあ~と思った。短い言葉で構成された14行詩、全88編。全部で一つの詩のようでもある。淡々とした言葉から浮かんでくる色合いがある。どこか、少し枯れたような、淡い色合いを感じる。とは言え、穏やかな中にも、想いの深さがある。少ない言葉で綴る意味を考える。2021/12/21

まこみや

62
詩は通読するものではなく、味わうもの。自分のペースでつきあって暗唱できるようになりたいものだ。〈文字で/読みたくない/声で/聞きたくない//言葉の/意味から/滲み出すものを/沈黙に探る//山の/無意味の/静けさ//死に向かう/人間の/無言〉 谷川さん曰く、「暗がりのなかで蛍火のように点滅する」短い行脚の十四行詩の連作だ。一篇一篇をゆっくりと味わうとき、日常の時間とは異なる時間を生きているように感じる。2022/01/20

yutaro sata

34
ひとつひとつ、短く区切られた言葉から、コツン、コツン、と、陶器のような響きが聞こえてくる。 皆さんはどの響きに線を引いたろう。  呪文は 魂の深みに とぐろを巻く(p161)  驕りを 洗う 潮の満干(p195) 宇宙と地上の間にある、水にさらされた、言葉が静かな身体を立てている・・・。2022/11/15

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