石に泳ぐ魚

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  • サイズ B6判/ページ数 190p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104017010
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

わたしたちは石の海に放たれた魚。魂の血を流しながら、泳ぎ続ける。幻の処女作。

著者等紹介

柳美里[ユウミリ]
昭和43年、神奈川県生まれ。高校中退後、東京キッドブラザースを経て、昭和63年、劇団「青春五月党」を結成。平成5年、「魚の祭」で第37回岸田国士戯曲賞を受賞。平成6年、処女小説「石に泳ぐ魚」を発表。平成8年、「フルハウス」で第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。平成9年、「家族シネマ」で第116回芥川賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

84
作中のモデルとなった女性から訴えられ8年も争い、出版差し止めと損害賠償の対象となった作品。その改訂版が本作である。柳さん自身と思われる劇作家秀香を主人公に、彼女を取り巻く人々の中にいても感じる孤独感、その特異な家族が浮き彫りとなる。魂シリーズ以来であるが、彼女の作品というよりは、彼女自身に相容れないものを感じてしまう。その男女関係に奔放な生き方、まわりの人への依存など、やっぱり私には無理だ!2020/05/08

zero1

51
モデルとなった女性から訴えられ、最高裁で損害賠償と出版差し止めを命じられた問題作(後述)。ということでこの本は改訂版。秀香は高校を中退後、劇作家となった在日韓国人。ルーツの韓国で彼女の作品が舞台化されることに。もちろん主人公は作者の柳も投影されている。光る文章であることは認めるが、後半の堕胎シーンなど散漫さが残念。主人公にも共感できず。オリジナルはどうだったのか気になる。柳は何をこの作品で描きたかったのか。消化不良という評価しかできない。2020/07/18

23
生きながら失うこと、喪のような生き方。秀香自身が孕む歪みは、誰にも修正できない。在日として境界的に生まれ、どこにも帰属できない不能感。そんな行き場のない閉塞は、どこか里花の皮膚に刻まれた魚のような傷に似ている。2019/07/10

なお

18
図書館本。なかなか入り込めない。この手の物語は苦手かな。2016/09/29

ホレイシア

11
柳美里氏と同い年だが、作品は好きではない。でもあれだけ騒動になった本だ、改訂版といえども読んでみたかった。で、はっきり言おう、全然大したことはない、時間の無駄であった。「自殺」なんて本まで書いて、死にたい死にたいと言ってるが、処女作がこれだ、相当なしたたかさを感じる。20代のころは共感するところもあったけれど、多分もう読まない。2010/06/27

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