猫と針

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  • サイズ B6判/ページ数 123p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784103971092
  • NDC分類 912.6
  • Cコード C0093

内容説明

友人の葬式の帰り、久々に学生時代の仲間が集まった。噂によれば、仲間たちはみな、何らかの個人的事情を抱えているらしい。一見なごやかな宴だが、それぞれが諸事情で少しずつ席を外す間、残った人間は様々に憶測を巡らし、不在の人物について語り合う。やがて漂う不穏な空気―。噂はどこまで本当なのか?そして、この集まりの本当の意図とは?恩田陸“初戯曲”ついに書籍化。閉鎖空間で展開する、心理サスペンス会話劇。創作の舞台裏を綴った長文エッセイ、「『猫と針』日記」も書き下ろしで収録。

著者等紹介

恩田陸[オンダリク]
1964年、宮城県生れ。早稲田大学卒。92年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。活字でしか味わえない恐怖と、活字でこんなことが出来るのかという感動を同時に与え、注目を浴びる。ホラー、SF、ミステリなど、既存のジャンル枠にとらわれない、独自の作品世界で沢山のファンを持つ。2005年、『夜のピクニック』で、第26回吉川英治文学新人賞と第2回本屋大賞を受賞し、2006年には、『ユージニア』で、第59回日本推理作家協会賞長編部門を受賞した。2007年には、「演劇集団キャラメルボックス」のために、初の戯曲を書き下ろした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MINA

35
著者と同じく考えるはタイトルの針の意味。最初は、こんな会話だけの劇を読むのは初めてだったから戸惑った。登場人物をよく脳裏に思い浮かべてかなり集中しながら読むことになった。サトウって唯一話題に上がってないなぁ。5人の緩衝剤みたいな役割?ヤマダとタカハシの二人シーンは希望により追加されたらしいけど、この二人のシーンで物語が締まってる/収まってると思った。良かった。結局フィルムを盗んだ人は誰だろう?ラスト、タカハシの独白で常にカメラを向ける生活してる人の因果が見えた気がした。キクチ君がすごく可哀想。2014/02/10

kana

27
初戯曲に挑戦する恩田さんの奮闘振りの伝わる日記(あとがき)を含め、かなり楽しめる1冊に仕上がっています。小説でも会話劇のシーンはいつもぞぞぞっとくる不気味さが特徴的だと思っていたけれど、戯曲でも裏の裏をかくような巧妙で邪悪な魅力が垣間見える。恩田ファンの期待を裏切りません。私も何気ない日常の一コマを撮影してみたくなりました。恐いもの見たさ、、かな。2010/06/13

紅香@新刊購入まで積読消化あと5冊⭐︎

26
高校時代の友人が殺害された。葬儀に参列した5人。丁度その日、喪服姿で映画の撮影に協力してほしいと友人で映画監督タカハシとの約束の日だった。信頼から不信感へ…一瞬にして変わる人間の暗くて深い闇に投げかけるセリフ回し。波紋が広がってジリジリとした心理作戦。迷宮に入る。あの意味があるような殺意がありそうでないような…もどかしい恐怖。少しずつ正確に積もる。時を待ち、くるりとひっくり返えされる。そんなことすら杞憂と何事もなかったように平然と流れる砂時計のような恩田ワールド。短くもシンプルな臨場感。スリリングな戯曲。2013/11/08

pulpo8

21
恩田陸既刊ラストはこれ!「『猫と針』日記」に中南米行きの話が出てきて、メガロマニア読了済みでニヤリ。まぁどちらから先に読んでも結局はよかったとなるのだろうけど。実際に劇団で公演するために書かれた戯曲。中盤にかけてやっぱり盛り上がるなーそして最後は恩田陸だから私はOK!で多くの人はOKではない気もする…。まぁそれよりも光って刺さってハッとする言葉たち、これが散らばっているのが恩田陸であり、そこを読むだけで私は「あぁ読んでよかったな」となるのだから、好きなんだな~という他ない。さぁ新刊いつ来てもOKよ!2018/05/19

フェリシティ

21
短い戯曲で、あっという間に読み終わりました。うーん、これぞ恩田作品、という感じ。恩田さんは、男女が何人か集まって語らう話がすごく上手い。現実と虚構の境目が分からなくなってしまう、不思議な雰囲気にどっぷり浸かれました。恩田さんと言えば、やはり「夜のピクニック」が有名ですが、他の作品も夜ピクのように爽やか青春小説だと期待して読んではハズレに終わります。夜ピクこそが、恩田作品の中でイレギュラーな話であって、本来の恩田作品は、不思議で閉鎖的な世界観、ノスタルジックな気分に浸れるのが売りなのだから。2012/01/22

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