内容説明
すみれ色にきらめく不思議な砂漠で、創世神話の謎を追いかけるシェプシの冒険とたった一度の恋…。男女の性差をこえて自由に生きる人々の星を舞台に、真実と愛の相剋を描く物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
9
透き通った紫色の砂漠・・・人間の世界では見る事ができない神聖な場所のよう。真実の恋を人間は自ら見出した・・・神の力を借りずに。白い靄のかかった神と人の世界。どこまでも紫の砂漠を駱駝に乗って歩いてみたくなった。2010/04/22
アイリーン子
3
設定は面白いしジェンダーに絡んだテーマ的なものも興味深いんだけど、とにかく単調で冗長で(特に序盤)なかなか読み進められなかった。描写も的確だし丁寧でもあるんだけどなー、緩急がなく(感じ)て集中力続かず。あとシェプシ(をはじめとする運命の子たち)が七歳にしてはしっかりしすぎなのも違和感。せめて十代にした方がよかったんじゃないかなぁ。それでもシェプシの旅立ちからは物語も転がり出し、ジェセルとの出会いと別れ、詩人の運命など各所に配された山場ではページを繰る手に力が入った。続き気になるけど手に入らないんだよなー。2016/02/09
HAZ
2
紫の砂漠を中心とした世界。真実の恋人とめぐりあうことを夢に見て、恋人を待ち続ける。謎を秘めた砂漠には悲しい真実があり、真実を知ることはいつも祝福されるとは限らない。世界観がしっかりしていて、よいお話でした。2011/06/10
ちか
0
10年ぶりの再読。中学生の頃わたしを支えた本の内の一冊。砂漠の表現がとても好きだった。今読んだら、あんまり面白くないかも…とドキドキしながら読んだけど、ページをめくった瞬間にすっと物語に入り込むことができた。10年前はシェプシが感じている「交われない」悲しさに共感したけれど、今読むとシェプシを取り巻く人たち誰もの中に同じような「交われない」淋しさがあって、そのことにシェプシが気づいていないことが悲しかった。2012/05/21
Mr.M
0
三柱の神。性別の未定。紫の砂漠。これだけファンタジーめいた舞台設定を使っておきながら、描いていたのは現実のIFの世界。ちゃんとテーマである「愛」に着地するのがすごいところです。してやられた。って思いました。 適度に文学的でありながら、文芸作品のように固くなりすぎていないのがこの作品の面白いところ。文章面も読みやすいというレベルではありませんが、安定して読めます。少なくとも、これはまずいという部分はなく、これはいいと思う描写があります。 とりわけ強烈ということはありませんが、確かに愛しさが心に残る作品です。2011/11/20
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