内容説明
女は夢見る、箱の外に出ることを。情熱、悲しみ、苛立ち。揺れ動く感情が流れ出た時、物語がひとつ始まる。―これは、私たちの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はげまる
12
社会は四角い箱だらけだ。僕らは箱から箱へ移動することに一生のほとんどを費やしている。箱は生活の残滓を一片も漏らさず受けととめて、閉じ込めて圧迫してくる牢獄なのかもしれない。人形の肉袋から溢れ出た想念の最期の防波堤なのかもしれない。もはやその人その家族が積もり集まった生き物なのかもしれない。自分はいつでも引っ越しができるように片付けをしながら日々を過ごしたいと思った。4作の秀作短編を収録。家出をする主婦の想念を描いた最期の作品に凄みを感じた。2014/10/16
草食系
1
生温い水っぽさ、ひたひたとずっと続く、長い尾をひく孤独。それを主人公は語らず、情景描写が語る。人気のない夜のエレベーターの稼動音とか、誰かがでることを期待しない電話をかける行為とか、そういうもので。少しの狂いの要素、何かを待つ時間の重さが印象的。女性像に時代を感じましたが、動けないで濁っていく気持ちはなんかわかる。2013/05/05
kinaba
0
悪夢の中のような目の前が薄暗くてよく見えないような怖さ2013/06/18
-
- 和書
- コートニー (新版)