ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103823056
  • NDC分類 391.6
  • Cコード C0031

出版社内容情報

ビンラディンの頭上に舞い降りた新鋭ヘリ。十年のインテリジェンスが凱歌をあげた時、福島には黒い災厄が降りて来た。9.11から3.11――日本を巻き込んだ諜報の季節。

内容説明

ビンラディンの頭上を、突如急襲した黒い鷹。それは9・11以降十年に及ぶ謀報活動にアメリカが凱歌をあげた瞬間だった。だがまさにその時、フクシマの地は、ブラック・スワンの羽に覆われていた。原子炉にヘリで注水する果敢な「特攻作戦」も、日本が現代インテリジェンス戦に敗北しつつある象徴だった。日米同盟の亀裂と外交的孤立に二十年以上前から警鐘を鳴らして止まなかった著者の、書き下ろしノンフィクション大作。

目次

第1章 ブラック・ホークが舞い降りた
第2章 情報策源地グアンタナモ
第3章 テロリストたちの航跡
第4章 ワシントン支局長の264時間
第5章 戦争は一角獣に乗って
第6章 アメリカの余りに永き不在
第7章 縮みゆくニッポン
第8章 黒鳥が舞い降りた

著者等紹介

手嶋龍一[テシマリュウイチ]
1949年、北海道生まれ。卓越した文章力と取材力で知られるジャーナリストにして作家。NHKワシントン特派員時代に、次期支援戦闘機をめぐる日米の暗闘を描いた『たそがれゆく日米同盟』を、さらに湾岸戦争時の政治指導部の迷走を衝いた『外交敗戦』を相次いで発表し注目を浴びる。9・11同時多発テロにワシントン支局長として遭遇し、11日間連続の中継放送を担った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たー

24
日本のインテリジェンスの欠如とトップの覚悟のなさにより招いた悲劇をアメリカの対テロ戦争と対比しつつ描く。2012/02/17

RIN

23
手嶋氏が取材した世界のインテリジェンス論、かと思いきや、国家のリーダー論。9.11と3.11を比較した形になっているが、さすがに現役時代のまるでそこに同席していたかのようなリアリティ、そして多方面からの情報収集の結果と分析とフリーランスになってからの日本での分析は濃度がかなり異なる。その差なのか、ややアメリカにシンパシーを感じている様子。イデオロギーや政策、国家観と関係なく、国家運営の当事者としての「人」の資質と能力を評価している。氏は骨の髄までジャーナリスト=観察者&記録者なのだと思う。→続く2012/10/16

Kazyury

9
前半の9.11関連は、副題どおりインテリジェンスを主題とした臨場感ある筆致。ホワイトハウスの外部から公開された情報を織り上げて物語を紡ぐジャーナリストも、インテリジェンスの一角を担うのかもしれない。もっとも、米政府も詳しく語る動機を持つビンラディン殺害の様子と、詳しく語る動機のないグアンタナモの内部状況の筆の濃淡は、ジャーナリズムの限界かもしれないが。 後半の3.11関連は民主党政権への苛立ちが表出しており、前段との関連は曖昧。日本インテリジェンスの不備は、3.11以前から今も続く宿痾に思う。2019/03/28

tkkr

9
ブラック・スワンというメタファーは、存在するはずのない黒い白鳥がいた、転じて、「ありえない」と思っていたことが起きちゃった!というときに使うんですってね。そこで本書では9.11とか3.11をさしているのか。白鳥の湖の黒鳥オディールではなかったのね。しかし著者によると、9.11はどうも事前にどうにかできそうなフラグはあったようだし、3.11も自然災害はしょうがないとしてもその後の対応(原発事故含む)ではもっと出来ることはあったという。歴史ににタラレバはないけれど、せめて「賢者は歴史に学ぶ」を活かしてほしい。2017/08/17

makimakimasa

8
副題に込められた意味は、テロから10年でお尋ね者を仕留めたオバマ政権の覚悟と、同年の未曾有の原発事故に対峙した菅政権の無能さの対比である。ビンラディン暗殺作戦の緊迫感ある内幕、懐かしの炭疽菌騒動の顛末、イラクの大量破壊兵器がどの様にでっち上げられたかの経緯(ニジェール産ウランの嘘)…国家のリーダーが情報機関に情報を求める際、胸の内を悟られると、それに迎合した情報が集まってしまう。そういう話は面白かったが、北方領土や沖縄基地に関し、政府の無策振りを高みから批判するわりに、対案に具体性が無いのはモヤモヤした。2020/02/20

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