メメント・モリ

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メメント・モリ

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  • サイズ B6判/ページ数 159p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103811060
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

鬱病の苦悩、家庭崩壊、自殺未遂、東日本大震災、麻薬所持逮捕、泥沼のスランプからの復活を証して異彩を放つ、著者十年ぶりの長篇。

鬱病、家庭崩壊、自殺未遂、大震災、麻薬逮捕。21世紀の碌でなし文学誕生。生からの一瞬の暗転として確固たる死を想え。不測の事態で流動する恥多き人生のただ中でこそ。時間を自在に往き来しながら、時に幻想的に、あるいは軽妙なユーモアのうちに、切実な記憶の数々を有機的につなぎ、やがて生命の喜ばしき光に到る……。泥沼のスランプを脱した著者10年ぶりの復活を証して、異彩を放つ長篇小説。

内容説明

メメント・モリ、死を想え。生からの一瞬の暗転である、静かに確固たる死を。夢想だにしなかった出来事の連続である、かくも恥多き人生のただ中で…。著者10年ぶりの復活を明かして、異彩を放つ長篇小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

美登利

94
途中まで、エッセイなのだろうと思って読んでいました。ずっと宗典さんのファンであった私に、あの逮捕は衝撃的で悲しみしかなかった、なんて馬鹿野郎だ!と思っていました。数々の作品を生み出す中で、締め切りにおわれ鬱病も発症していた事も不倫で揉めた事も、もちろん知っていましたが、これを自伝的小説と思って読むと昔からの事なのかと失望感が沸くのは仕方ないかしら。クスリの力を借りて書いたものではないと信じたいです。すでに過去のものとしての、復活を祈りたいです。それを待ち望んでいた多くのファンのうちの1人として。2016/01/10

chimako

67
これは私小説なのか?原田宗典のエッセイも小説も好きだった一読者にとって覚醒剤と大麻で逮捕されたとの報道は「まさか、なんで?」と思わずにはいられなかった。しばらく読んでないなとは思っていたけれど、キャッチボールが好きな著者が、一番遠いところの一番ダメなものに手を出した事に、全く面識もないのにショックを受けた事を思い出す。だからドラッグの場面は読んでいて嫌だったし勘弁して欲しいと感じた。が、これを書かずにはいれなかったんだね、きっと。最後の靴の話、奥さん素晴らしい。これからもぼちぼち書いて欲しい。2025/04/08

26
ずいぶん長く新刊が出ず、体調が悪いのだなと思っていたところに、原田宗典逮捕のニュース。ショックだった。長いブランクを経ての新刊は、小説とあるが半ば自伝かもしれない。大麻や覚醒剤のせいで現実がゆっくりと歪む様子を見せられて、気持ちが酔いそうな部分もある。ただ、おわりの部分が明るくてよかった。立ち直って、また少しずつでも書いてほしい。巻末に白いページが続いたあと「装丁・原研哉」とある。原田さんの長い友達の名前がそこにあることに、ぐっと胸が詰まった。2016/04/26

Sato

24
メメント・モリとは「死を想え」自分がいつか必ず死ぬことを忘れるなという警句である。今となっては妹のマハさんの方が有名だが、20年ほど前は爆笑エッセイがバカ売れした人気作家だった。その後スランプや躁鬱に悩まされ5年ほど前に覚醒剤使用で逮捕されていた。本作は復帰作とのことだが、鬱病・家庭崩壊・自殺未遂・薬物・逮捕と多分彼の私小説なのでは?というくらい壮絶なものだった。薬物使用は何があっても許せないが、病気やスランプに陥った彼の苦悩は想像できないほど深く、常に死と隣り合わせだったのであろう。また立ち直ってほしい2018/09/12

霜月

24
10代の頃よく読んだ原田さん。面白くてちょっと毒があって切なくて大好きだった。でも繊細でふとした拍子の危うさがあんなことがあってもおかしくないかもと思わせられて、私は落胆すると共に妙に納得したのだった。10年ぶりの新刊は自叙伝を思わせる小説で時系列がバラバラに継ぎ合わせてあったもののさすがの筆力で読ませる。いつの間にかのめり込んでしまった。行きつ戻りつしながら死から生へ。ここからまた始まる予感に喜びが込み上げる。モリをメメントするのも大事だけどちゃんと戻ってきてねとつぶやいた。2016/06/26

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