内容説明
人の心はわからない、わからないから面白い。みんなが持ってるものだから、心のこと、少し勉強してみよう。でも、「わかった」と思ってはいけません。厳しいけれどユーモアいっぱいの授業です。
目次
臨・臨床心理学
催眠術は不思議か?
頭の中味を外に出す
心理学は科学か?
心理療法は大変だ
心理療法とヘンな宗教
謎の行動、謎の言葉
人間関係が問題
心理療法と恋愛
箱庭を見にいった
「物語」がミソだった
わかることわからないこと
ロールシャッハでわかること
やっとすこしわかってきたのに
著者等紹介
南伸坊[ミナミシンボウ]
1947年、東京生まれ。漫画雑誌「ガロ」の編集長を7年務めた後フリー。イラストレーション+ライター=イラストライターとして活躍。また、「生徒の達人」として、生物学、免疫学、解剖学の個人授業を受け、そのレポートを執筆した
河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年、兵庫県生まれ。京都大学理学部数学科卒業。日本人としてはじめてユング派精神分析家の資格を取得する。京都大学教授、国際日本文化研究センター所長を経て、2002年1月より文化庁長官
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kayak-gohan
15
前半では心理療法という用語の定義とその対象範囲、カウンセリングとの異同、精神医学や精神分析との関わりの歴史と現代での位置づけ等々の基礎知識が先生と生徒のやり取りの形式を通じてわかりやすく記述されている。後半では人間をわかるということがどういうことなのかが先生の研究歴を交えて丁寧に紐解かれる。パズル的な知識のあてはめにより「わかる」ことよりも、目の前のクライエントとともに苦しみ、考えることを通して、「これでやろう」「これでいける」ということが見いだされる、つまり発見的にわかることがもっと大切であると説く。2023/03/16
ムーミン2号
8
南伸坊さんが河合さんのレクチャーを受けたものを起こして、それを伸坊さんがまとめ、河合さんがコメントする、という形式で新潮社の「波」に連載されたもの(2001-02)。心理療法の流れから始まり、臨床心理学へと話題は向かう。後半は箱庭療法や「物語」について語られる。箱庭を作ったくらいでどうしてそれが治療になるのか?物語をつくるとはどういうことなのか?それらが伸坊さんの驚きと理解とともに我々にも伝えられる。生半可な知識や経験で臨床心理士の真似事はできるものではない。それにだいたい、人の心なんて分かるわけない。2017/12/17
シロクマとーちゃん
5
「箱庭療法」とか、「逆転移」とか、少し前にみた、あるテレビドラマを思い出した。ドラマでも患者に共感することによって治療をするという医者が出てきた。心理療法というのは、どうやらそういう方法らしい。しかし、そうすると、医者と患者の間に微妙な人間関係が生じてくる。それを、あえて避けず、深く入っていくことが治療に役立つことも事実。ややこしくて、常人にはとても無理そうな職業である。2016/07/26
さえきかずひこ
5
人の心は分からないが分からないということも分かるところまでは分かるし、さらに分からないところもある、という果てのない考えは、さしあたり人が人である限り、つまりある程度元気でものを感じたり考えたりができるならば、それに向き合ったり、向き合うのが嫌になったりすることに通じる。心理療法、つまり臨床心理士の営みの一端を、恐ろしく楽しく読みやすく伝える優れた一冊。2010/11/17
よし
4
「人の心ってどこまでわかるのですか?」…先生「わかってたまるか(笑)」生徒役の伸坊氏に助けられ、授業が面白かった。「物を盗む」ことを例に、教育・ガイダンスと対比して、カウンセリング(身の上相談)とは何かを分かりやすく説明。又、精神分析 とカウンセリングと心理療法の違いも腑に落ちた。「物語がミソだった」の講義で、「人間の処方箋は。生きるとは、自分の物語を作ること。」にはっとした。また、「人間関係が問題」の講義では、「関係性の喪失」から「関係性の回復」になるほどと思った。こんな授業を受けてみたくなった。2017/05/31




