内容説明
私はハングルに感電してこの国へ来た。初めての韓国留学を決意した在日三世・雅美。東京とソウル―ふたつの街を行き来する青春を新しい世代の感性で描く、待望の最新長編!「ほんとうの夏」併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うわじまお
23
2本の在日韓国人を主人公とした物語。作者本人の体験がもとになっていると察する。鷺沢さんはもうこの世にいないが、同世代なので、あーそんなかんじなのかと追体験しながら読んだ。切ないけど悪くない。そんな一冊でした。2016/07/12
ほうき星
10
鷺沢さんの本3冊目の本書。2編からなる。主人公に自分を重ねているのかなと今回も思った。悩んでおられたのだろうか…。他にも作品はあるので読みたいと思う。2014/10/08
@かおり
4
ずっと読みたかった本。今となっては、友人のルーツが韓国だったとして、差別的な目で見る人は少ないような気がするが、当時祖母が韓国人であると告げられた鷺沢さんはいたく驚いただろう。そんな筆者の体験が元になっている2作。表題作は少し長い。自分は純日本人なのでわからないところが多いが、雅美は気にしすぎるところが多くて、海外で(しかも微妙な立場として)生きていくのはそんなにつらいことなのかと考えさせられた。それにしても、気にしすぎというか…周りの人はそんなに自分のこと見てないと思うのだが。。2016/07/23
かみーゆ
2
芥川賞候補になって選評でボロクソに言われてましたけど、確かに冗長も部分もありますよ。でも今こそ読まれてよい本だと思うのにな。絶版なのね。まったく日本の出版業界ってのはさあ。。。2013/04/24
Q afuremark あふれ印
1
図書館で。荷に耐えるだけのタフさを持たないのに重いテーマを背負ってしまった人、という印象。書きたい気持ちが先へと滑り、文が追いついていない。お話しの中の主人公は逞しく育ったようだけど、書き手は痛々しく見えた。(自殺したと知って納得。)一方在日にかんする自分の知識のなさを痛感させる本でもあった。 2013/08/12