出版社内容情報
二村永爾シリーズ、十年ぶり復活! 舞台は香港、幻の映画フィルムをめぐり次々と起きる殺人事件。日活映画百年記念、宍戸錠も登場!
内容説明
神奈川県警の嘱託・二村永爾は、1本の映画フィルムの行方を追って、香港へ飛んだ。それは、ある殺し屋がモデルとなった、封印された映画だった。幻の黒色影片(暗黒フィルム)を巡り、立て続けに巻き起こる射殺事件。二村の前に現われた気高き女優と、謎の映画プロデューサー、そしてゲルニカ拳銃の銃口。横浜、長春、香港―複雑な過去と現在が交錯してゆく。
著者等紹介
矢作俊彦[ヤハギトシヒコ]
1950年、神奈川県横浜市生まれ。1972年、「ミステリマガジン」に短編小説を発表。テレビ、ラジオ、映画など他分野でも活躍。1998年、『あ・じゃ・ぱん!』でドゥマゴ文学賞を受賞、2004年には、『ららら科學の子』で三島由紀夫賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
52
日本の作品では珍しい本格的ハードボイルドです。私好みで結構映画の話が出てくるし題材も映画フィルムに関する話です。表紙も渡哲也と宍戸錠が書かれていますが、中身にも実名で宍戸錠が出てきます。昔の日活映画に対するオマージュということなのでしょう。楽しめました。ただやはり好き嫌いの好みがはっきり出そうな作品です。2015/04/09
Bugsy Malone
43
これは堪らない。江口寿史さんの描いた装丁からして堪らない。 著者自身、「日活アクション『紅の流れ星』の半世紀後の物語を書きたかった、 自ら監督した『アゲイン』のリベンジです。」 と言っている様に、往年の役者やセリフが随所に登場する。前作で警察を辞職した二村が、ある監督が遺した幻のフィルムを求めて香港へ飛ぶ。粋です。格好いいです。映画『アゲイン』も凄く良かったし、そしてこの本には最高に痺れさせられました。2015/09/08
starbro
24
江口寿史の表紙イラストに惹かれてのジャケ読みです。著者の映画愛満載の570P一気読みでした。日活百年記念だけあって、古き良き日活アクション映画を想わせる内容なので小説よりも映像向きかも知れません。映画化するとしたら主役は浅野忠信あたりでしょうか?宍戸錠が実名で登場するのには、思わず拍手ものです。2015/07/03
マムみかん(*感想は風まかせ*)
24
「二村永爾シリーズ」4作目。 二村氏は警察を辞めて嘱託扱いになっているので、なんだかレトロな探偵小説の趣がありました。 そして、日活の無国籍アクションや香港ノワールといった映画と、映画人への愛がてんこ盛り! 実名で登場の宍戸錠、本気カッコいい!! 翻訳モノのような文体で、いちいちキメ台詞が連発されるからお腹一杯、頭もクラクラ…(笑)。 でも、あぁハードボイルドを読んだわ~という満足感を得られて嬉しかったです☆2015/05/25
kmfm
21
銃、女、酒、金…ハードボイルドの要素満点でした。自分がもう少し昔の映画や香港の事に詳しかったら、もっと楽しめたと思います。特に、主人公二村が、どんな大物にもウィットに富んだ会話ができるのが楽しいと思いました。一昔前はこうしたハードボイルド作家がもう少しいたのに、今は矢作氏ぐらいしか見当たらないのが残念です。★★★★2015/12/06