内容説明
70年代半ばの就職氷河期に中堅商社に入った「僕」の社内抗争、リストラ、独立、合併と続く社会人としての転変と、一人娘の不登校、不良化を防ごうとする父親、家庭人としての奮闘をユーモアのある読みやすい文章で描く、切実な現代の物語。30年前に死んだ大好きだった叔父さんに語りかける、暖かくて新鮮な大人の小説。
著者等紹介
伊井直行[イイナオユキ]
1953年、宮崎県延岡市生まれ。83年「草のかんむり」で群像新人文学賞、89年「さして重要でない一日」で野間文芸新人賞、94年「進化の時計」で平林たい子文学賞、2001年「濁った激流にかかる橋」で読売文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Takeshi Kambara
23
不景気、大災害や地下鉄テロの発生、昭和が終わったりと色々大変だった1990年代にバリバリ頑張って働いていたお父さんの話。といってもお仕事小説ではなく、仕事しながら家族との葛藤、友人との確執、昔の恋、亡くなった叔父との思い出等々誰にでもありそうなエピソードを静かに語った物語で特に大きなヤマも感動もない。だけど、日常に起こる色々な出来事に対するお父さんの心理描写や真面目で誠実な大人の意見は読んでいてじわじわ心にしみた。2016/04/28
ソングライン
17
51才の小さな会社を経営する主人公が、17才の大検を目指す長女と0歳の二女を持つことになった1年間の物語、そこには30年前に亡くなった彼を愛してくれた叔父、死が迫った自分をかつて裏切った親友、窮地に陥った主人公を救う親友の元妻などが登場します。高校生の長女が美術教師に不当な対応を受け、学校に興味を失っていく際に、主人公が妻に学校や社会とういう集団の行動原理に公正と公平が不可欠だと、青臭く熱く語るシーンに共感してしまいした。そして、叔父が語る異常な性体験、すごいです。2020/10/19
tetsu
5
★2 初読みの作家。なんだかつかみどころのない小説だった。2014/05/24
かいそら
1
おじさんの家族の山あり、谷ありの話。 かなり過激な描写が出てきてびっくり。2014/10/09
karupinpin
1
おじさんとの思い出、今現在の自分のこと、娘のこと、ゆうじんとのこと。ちょっとつかみ所がなくて、結局何が言いたかったんだろうって思ってしまった。2011/07/14