内容説明
村の農地整備事業は汁田圃を上田に変えたが、太古からいた亀たちの棲み家は失われた。小さな動物の生命に思いを致さずして、どうして人間を大切に出来よう。今日の農業への疑問に始まり、交通事故で死んだ若者や障害女性のけなげな生き方からチェルノブイリや天安門事件まで、四季の微妙なうつろいや身辺の日常から描く。読む人の魂に語りかけ心を揺する24通の手紙。
目次
亀の死ぬ夢
いのち遙かに
再び亀と原発とそれから
人間の寸法
橋桁の下の見つめて
海と船と少女と
骨壺製造のこと
パナリ焼の優しさ
人にも物にも美醜なしというが
若者の死
人の死のにゆくが故に
あんな子生きとって
おお狸たちよ
いのちの小さな声
のろいことがいけないのでしょうか
魚族の将来
この世にゴミというものはない
朱い木の実のようなベラウの蟹
運命について
未来はいつも
死神と「あの老人」のこと
波照間島の声
山水が撞く杵音がきこえる
光芒ありき



