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内容説明
主治医のA先生に、「正月過ぎまで生きられるでしょうか」と尋ねてみたが、イエスの返事はついに得られなかった。そこで、どうせ残り少ないいのちなら、後に残る家族のため、親しい友人たちのため、私の発病から死までを務めて冷静、客観的に書きとめておこう、という気になった。いかにして「がん告知」を受け入れたか。
目次
人間ドック
虫垂炎
告知
人生設計のやり直し
小康
再発
鼻からパイプ
イレウス管の効能
おつりのいのち
再手術
職場復帰へ
五ヵ月ぶりの退院へ
三たび入院
退官
「手術のような処置」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tai65
2
星4・52016/11/26
trazom
1
煽情的なタイトルであるが、検事総長である伊藤さんは、ガンの宣告を冷静に受け止め、淡々と、日々の治療の様子、体の様子、仕事の整理のことを日記に綴っている。「人は死ねばゴミになるだけ」という文章もあるが、殊更その言葉を強調しておられるわけではない。そんなふうに声高に叫ぶ反宗教者ほど「ゴミになりたくない」という怖れを抱いているのでないかと思えるほど、伊藤さんは、冷静で強い。そんな見事な生き様を、どうしてわざわざ「人は死ねばゴミになる」などというひねくれたタイトルで表現するのかと、編集者への反発を感じてしまう。2017/09/18