内容説明
吾輩は猫デアル。本棚デ爪ヲ研ギ、時々書ヲカジル。漱石に鴎外、百〓、龍之介など20人の文豪をサカナに舞い踊る、またたびの読書エッセイ。
目次
子供なんかいらない―網野菊「冷たい心」「ひとり暮し」
大阪が好きだから―織田作之助「六白金星」
「老い」とつきあう方法―岡本かの子「老妓抄」
おやじの悲劇―田山花袋「少女病」
前世が知りたい―藤枝静男「田紳有楽」
自分の肉体をおもちゃにすれば―芥川龍之介「鼻」
面倒をかける側の視点―正岡子規「仰臥漫録」
結婚って、何―仲町貞子「叔母梅木久子」
そこは弱いの―宮沢賢治「よだかの星」
お金の上手な遣い方―川崎長太郎「抹香町」
不倫の噂は楽しいが―黒岩涙香「弊風一斑蓄妾の実例」
大人の都合なんか知らない―吉川英治「忘れ残りの記」
下ネタは奥深い―宮本常一「忘れられた日本人」
ストレスがやってきた―内田百〓「山高帽子」
小さいままでいたいけど―獅子文六「悦ちゃん」
他人の食事が気になる―子母沢寛「味覚極楽」
惚れると不幸になる男―石川啄木「ローマ字日記」
ペットが死ぬとき―夏目漱石「猫の墓」
サンショウダユウは誰だ―森鴎外「山淑大夫」
年寄り相手といいながら―渡辺一夫「ある老婆の思い出」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
悠木
1
群さん読書エッセイ。夏目漱石の猫の墓読みたい。今回は群さんに共感というよりは、なるほど、と思うほうが多かったです。2013/04/23
てまり
1
群さんの、ずばずばと切り捨てるような物言いが小気味いい。大人になってしまうとなかなか文豪作品には手が出にくいものだけど、引用部分を読んでいると、改めて読んでみたくなる。 ストーリーはおおむね知っていても、実際には読んでいない本のいかに多いことか。2005/08/18
sigismund
0
名著を片手に軽妙な太刀捌きを見せる文章が心地いい。老人看護やストレスなど現代に通じる問題も見事にバッサリと切り捨てる。読んでいると何故だか楽になる本。2011/05/12
つちのこ
0
単行本を新刊で購入。1995.5.10読了1995/05/10