出版社内容情報
私の趣味は人の夫を寝盗ることです――有名料理研究家の妻、年下の夫、そして妻の助手兼夫の恋人。3人が織りなす極上の危険な関係。
内容説明
私の趣味は人の夫を寝盗ることです。有名料理研究家の妻、年下の夫、そして妻の助手兼夫の恋人、3人が織りなすのはユーモラスで残酷な、極上の危険な関係。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
535
帯の惹句「私の趣味は人の夫を寝盗ること」が先行している感あるが、そういう作品じゃない。確かに「他人に属しているからこそ」魅力の出る男というのは存在するが。以前本の編集を本業とするリアル友が、エイミーをして「言葉の選び方が上手い」と褒めていたけれども、最近はこだわりが過ぎて鼻につく印象も。だが途中いきなりの年下夫「おれなんかで、ごめんな」でノックアウト。そりゃー許しちゃうわな(笑)確かエイミーの現夫さんもかなりの年下。往年のファンとしては、まさかの私小説?目線で読み終えた。みんな幸せになりますように。2021/09/27
ヴェネツィア
359
しばらくぶりに読む山田詠美。これまでには結構読んでいて、これで29冊目。今回のこれが最も軽い文体(ポンちゃんのシリーズは未読だが)。主な登場人物は3人。妻の喜久江(売れっ子のお料理研究家)とその夫の太郎(あまり売れないイラストレーター)、そして愛人の桃子(喜久江の助手)といった顔ぶれ。三者のあり方は不倫というよりは、昔の三角関係という言葉の方がピッタリくるようだ。そして、文体がそうであるように、三者三様に能天気でもある。ことには太郎がそうだ。こんな関係にありながら、全く切迫感がない。とすれば、山田詠美が⇒2025/01/07
ろくせい@やまもとかねよし
255
赤裸々な利己的恋愛にかかわる人たち。彼らの飄々とした振る舞いを、とても清々しい表現で描写。本質は変わらない山田節。だが、その円熟さも感じさせた非常に晴々とする読後感だった。不倫は、夫婦間を越えた単なる恋愛だろうか。登場人物は答えを探す。不倫は、知らぬ間に大切な人を過去にしていること。知らぬ間に大切な人を傷付けること。知らぬ間に大切な人へ、抑えていた憎悪の気持ちを引き摺り出すこと。さもあり。人間の70%は水分。身体の水分である血。感情の水分である涙。それらをなめ合い、すくい合う関係こそ人間だとまとめるか。 2021/03/03
いつでも母さん
200
タイトルが不穏。が、ユーモラスで残酷な極上の危険な関係と帯にある。これは読まなきゃ…(笑)『私の趣味は人の夫を寝盗ることです』と始まる三角関係・不倫の物語。料理研究家のデキた妻・喜久江と10歳年下の・太郎、妻の助手であり夫の恋人・桃子。三者三様の心の声が面白い。それに尽きる。誰にも共感は出来ないが結果オーライってことでしたね。玉木~っ!そうきたか!が正直な気持ち。2021/04/02
じいじ
183
売れっ子料理研究家の妻と10歳年下の夫、そして妻の助手を務める女・桃子。3人それぞれの目線で綴った恋物語は、当初の予測を覆すラブ・コメディ仕上げで楽しい読書になりました。三人の主人公、あなたはどちらの立場で読みますか? 私は男なので夫とその妻に視点を置いて読みはじめました。「今度の女は、思いのほか手ごわいぞ」毅然と立ち向かう妻が次第に変貌していく様子が、上手く描かれています。ドロドロしがちな不倫を軽妙洒脱な文章で、ユーモアの中にリアルに読ませてくれる作者の筆力に脱帽です。新しい山田詠美に出合えました。2021/03/23
-
- 和書
- 関根忠郎の映画惹句術