血も涙もある

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血も涙もある

  • 山田 詠美【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 新潮社(2021/02発売)
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  • サイズ 46判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103668176
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

私の趣味は人の夫を寝盗ることです――有名料理研究家の妻、年下の夫、そして妻の助手兼夫の恋人。3人が織りなす極上の危険な関係。

内容説明

私の趣味は人の夫を寝盗ることです。有名料理研究家の妻、年下の夫、そして妻の助手兼夫の恋人、3人が織りなすのはユーモラスで残酷な、極上の危険な関係。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

530
帯の惹句「私の趣味は人の夫を寝盗ること」が先行している感あるが、そういう作品じゃない。確かに「他人に属しているからこそ」魅力の出る男というのは存在するが。以前本の編集を本業とするリアル友が、エイミーをして「言葉の選び方が上手い」と褒めていたけれども、最近はこだわりが過ぎて鼻につく印象も。だが途中いきなりの年下夫「おれなんかで、ごめんな」でノックアウト。そりゃー許しちゃうわな(笑)確かエイミーの現夫さんもかなりの年下。往年のファンとしては、まさかの私小説?目線で読み終えた。みんな幸せになりますように。2021/09/27

ろくせい@やまもとかねよし

253
赤裸々な利己的恋愛にかかわる人たち。彼らの飄々とした振る舞いを、とても清々しい表現で描写。本質は変わらない山田節。だが、その円熟さも感じさせた非常に晴々とする読後感だった。不倫は、夫婦間を越えた単なる恋愛だろうか。登場人物は答えを探す。不倫は、知らぬ間に大切な人を過去にしていること。知らぬ間に大切な人を傷付けること。知らぬ間に大切な人へ、抑えていた憎悪の気持ちを引き摺り出すこと。さもあり。人間の70%は水分。身体の水分である血。感情の水分である涙。それらをなめ合い、すくい合う関係こそ人間だとまとめるか。 2021/03/03

いつでも母さん

199
タイトルが不穏。が、ユーモラスで残酷な極上の危険な関係と帯にある。これは読まなきゃ…(笑)『私の趣味は人の夫を寝盗ることです』と始まる三角関係・不倫の物語。料理研究家のデキた妻・喜久江と10歳年下の・太郎、妻の助手であり夫の恋人・桃子。三者三様の心の声が面白い。それに尽きる。誰にも共感は出来ないが結果オーライってことでしたね。玉木~っ!そうきたか!が正直な気持ち。2021/04/02

じいじ

180
売れっ子料理研究家の妻と10歳年下の夫、そして妻の助手を務める女・桃子。3人それぞれの目線で綴った恋物語は、当初の予測を覆すラブ・コメディ仕上げで楽しい読書になりました。三人の主人公、あなたはどちらの立場で読みますか? 私は男なので夫とその妻に視点を置いて読みはじめました。「今度の女は、思いのほか手ごわいぞ」毅然と立ち向かう妻が次第に変貌していく様子が、上手く描かれています。ドロドロしがちな不倫を軽妙洒脱な文章で、ユーモアの中にリアルに読ませてくれる作者の筆力に脱帽です。新しい山田詠美に出合えました。2021/03/23

ウッディ

173
人気料理研究家である喜久江、アシスタントの桃子は喜久江の夫でイラストレーターの太郎に弁当を届けに行ったことをきっかけに恋に落ちる。美味しい食事と寛大な心で夫を愛する妻、妻を愛しながらも桃子と過ごす時間に喜びを感じる夫、喜久江を尊敬しながら、太郎も愛してしまった愛人、それぞれの立場から、三角関係を描いた物語。いわゆる不倫でありながら、太郎と桃子に罪悪感がないためか、ドロドロした雰囲気にはならないのがすごい。不倫を肯定するわけではないが、無関係な人たちが一斉にバッシングする現代の風潮について考えてしまった。2021/10/04

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