内容説明
夫の赴任先のパリで借り受けた緋色の部屋には、縫い針が散乱し、死んだはずの持ち主の女を訪ねて、他人が入り込んでくる。このアパルトマンは怖い―。恐怖を覚えた私はかつての見合い相手に会い、暮らしに慣れていくが、その彼もまた、母親に心を壊された過去を語りはじめる。そして私の最愛の息子もまた…。母と子の悲劇が轟く長編小説。
著者等紹介
木崎さと子[キザキサトコ]
1939年旧満州新京市生れ。1962年、結婚と同時に渡仏。以後米仏で14、5年を過す。1979年帰国。1980年「裸足」で文学界新人賞。1984年「青桐」で芥川賞受賞
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