内容説明
バアさんが死んだ。上野署裏にトリスバーを開いていた頃の思い出を一杯詰めこんだ5冊のノートを残して…。ノートを書かせたのは朝日新聞の「天声人語」で名文家の誉れの高かった深代惇郎だった。深代が逝き、バアさんが逝って、〈私〉に大きな宿題が残された。それは、2人と共に生きたあの「警察回り」の時代を再現することだ!社会部最後の黄金時代を描く。
目次
第1章 バアさんの回想録
第2章 警察回り無頼
第3章 「東京の素顔」
第4章 “黄色い血”キャンペーン
第5章 深代惇郎の死
第6章 バアさんの血
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すん
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新聞記者は泥臭いな。2014/02/16
Kazuhira Hosaka
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60年代から70年代にかけてのサツ担記者のおおらからな気風がたまらない。 てっきり事件ルポかと思ったら、ある女性の一大評伝にもなっていて。2012/05/01
Miyaz
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題名から内容を推測すると、がっかりする人もいると思う。 昭和の高度成長期に向かう時期にあった、上野警察署の裏にあった、バー『素娥』の女主人の「バアさん」と「バアさん」と交流があった人たちの話である。しかもこの話は常に「バアさん」が中心にある。著者が、サツ回りの新聞記者だったので、この書名になったんだろう。 ただこの本の中にある記者クラブ制度の導入によって、新聞記者の警察をチェックする機能が薄れ始めた、というのは的を射ているようです。2018/03/12