出版社内容情報
からだの奥底に、燃える星を抱えた女たち。選考委員絶賛、「R-18文学賞」大賞受賞作! 老人介護施設のマドンナ・キヌ子は、いまだ枯れずに「女」を振りまいている。夫とのセックスレスに悩む看護師のミサは、介助しながらその言動を複雑な思いで見ているが……。今の大人の女性たちが抱える「ままならなさ」を真っ向から、時にユーモアも交えて描いた「女による女のためのR-18文学賞」大賞作家デビュー作。
内容説明
老人介護施設で色香を振りまくキヌ子。夫とのセックスレスに悩む看護師ミサ。結婚五年目、過干渉な姑がしんどい水織。還暦を前に初めて「女風」に申し込んだ弥衣子。男性経験のないまま五十歳を迎えた明日香。人生の折り返し地点を過ぎた女たちの「欲」を正面から描く、第18回「R‐18文学賞」大賞受賞作。
著者等紹介
月吹文香[ツブキフミカ]
1978年生まれ、東京都出身。2019年、第18回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞(月吹友香名義)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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starbro
165
女による女のためのR-18文学賞受賞作と言うことで、読みました。連作短編集、おススメは、受賞作『赤い星々は沈まない』&『肉桂のあと味』です。しかしLGBTQの時代に、この賞のタイトルは、いかがなものかと思います。https://www.shinchosha.co.jp/book/359611/2024/08/11
おしゃべりメガネ
100
いい意味でそんなに【R18文学賞】してない作品でした。主人公の女性達はほとんどがまあまあいい年齢になっており、表題作の「キヌ子」さんにおいては80近い方になります。年齢、年代はそれぞれ違えどカラダの奥に潜む「欲」を正面から綴っています。帯にある'歳を重ねても体の奥で灯る底知れぬ疼き'がなんともセクシーですよね。円熟期を迎えつつも、決して諦めてはならない「性」のスタイルにどこかホロリときてしまいます。登場人物の大半が女性達なので、女性読者さんにはぜひ読んでいただきたい作品です。今後も楽しみな作家さんです。2024/08/07
fwhd8325
77
5編からなる、女性の生々しさ。生々しさという表現が間違っていないと思います。面白いです。表題作と「肉桂のあと味」が好きです。「肉桂のあと味」は、泣けます。その後が読みたいと思いました。これも女性じゃなければかけないんだろうな。2025/01/31
Ikutan
76
『女による女のためのR-18文学賞』大賞受賞作品を含む五つの短編。老人介護施設で夜這いを繰り返すキヌ子さん。過剰に関わってくる義母との距離に悩む水織さん。若い男性セラピストに夢中になる還暦間近の弥衣子さん。早く大人の経験をしたい14歳のミクちゃん。10年以上、夫とセックスレスのミサさん。そのミサさんの義姉で男性経験のない明日香さん。老いも若きも女という性に翻弄される人たち。逞しくなったそんな女性の様々な思いをストレートに描いた作品。月吹さん、丁寧な描写でこれからが楽しみ。ゆるく人物が繋がっているのも好み。2024/09/29
もぐたん
63
表題作を含む5話の短編には、女性はいくつになっても自分に正直に生きることを渇望しているのだと思い知らされる。老婆の性欲、義母の圧、疑似恋愛の沼、大人になりたい中学生、中年女の胸の疼きといった、幅広い年代の性に関するモヤモヤを、あっさりと言葉にしてしまえる筆者のセンスを好ましく思う。読後、タイトルが力強く感じられ、勇気づけられる一冊。★★★★☆2024/10/13
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