感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
5
三國一郎はテレビタレントと呼ばれだした初期の人で、本書にもそれに関する感想が述べられる。名古屋出身で模範的「標準語」を使うインテリであり、今やこうした存在はテレビに見当たらない。TV草創期のNHKは自社では人材を賄えず、氏の様な半専従者が多かった。我が家にテレビが来てから最も親しい「大人」の一人だった。本書は表題の通り言葉に関するエッセイである。鼻濁音や用語法等失われる規範への嘆きも多いが、方言話者の帰属意識様々や音声としての言語の重要さ、日本語の語彙の性格等、内省的なインテリ話者の所感は現在も貴重である2020/12/16