内容説明
1年間で歩いた国は22カ国、泊まった部屋は115室。国際列車の車掌は国ごとにどう変わるのか?旺盛な好奇心と優しい眼、スケッチ満載の「手描き」ヨーロッパ。
目次
ピサの斜塔にはテスリがない
ミラノの飛び降り自殺
列車は黙って発車する
ウィーンの市電の飛び降り資格
野鳥と人たち
握手と礼砲
パリのスイングドア
北の人、南の人
ヨーロッパの窓
トカレフとワルサーP38
武器博物館
なぜモデルガンが
マッサージ器と10ギルダ紙幣
イタリアとドイツのオペラの始まる時刻
走るポストと公衆便所をふやすシカケ
ナポリの泥棒
旅の秘訣は“得点法”
国際列車の車掌さんたち:ヨーロッパの列車仲
優先席・禁煙車
いいホテル
ぼくが泊まった安い部屋〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たぬ
15
☆4 出版は1997年だけど旅そのものは1971~72年。手書き文章&非常に細かい線画で泊まったホテルの部屋を大量に紹介。+雑記がちょこちょこ。ひとくちにヨーロッパと言えども国によって間取りや設備に違いが出ているのが面白い。南欧の国々にはビデが必ずと言っていいほど置いてあったりとか。城、塔、教会などの古くて美しい建築物が街中に溶け込んでいるのは羨ましいな。各国の寝台車と車掌さんのレポもあります。2024/08/31
一彩
2
日本人の察してくれるはずは,甘えだね。きっと2017/10/18
ふうてんてん
2
友達に勧められて読んだらめっちゃ面白かった。文字もすべて手書きなのと、泊まった宿の見取り図が気に入りました。古い本だけど味わい深いです。旅に行きたくなりますね。2013/06/30
あーさー
1
妹尾河童さんが文化庁による芸術家派遣研修で1年間ヨーロッパへいった際の旅行(?)記。全編「手書き文字」なので好みが分かれそうですが、精緻なイラストはさすがで、当時(発売は1976年)のヨーロッパの空気を感じることができます。2025/03/22
ひるお
1
ヨーロッパ各国+αの旅のスケッチ。それぞれの“お国柄”についてのエッセイも収録されているが、ほとんどを占めるのは、筆者が泊まった数々のホテル・ペンション・B&Bの部屋の間取り。窓の大きさ、壁の厚さ、ビデの有無などにその国の気候や暮らしぶりが表れている。定宿となったホテルでは、スタッフとのやりとりも愉しい。1971〜1972年の旅とのことで、最近読んだ武田百合子『犬が星見た』の旅(1969年)と、否応なしに比べてしまう。ここに載っている部屋は、どれも今はもうないような、いや、今もまだありそうな気がする。2022/09/17