家守綺譚 〈下〉

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家守綺譚 〈下〉

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  • サイズ A5判/ページ数 256p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784103564720
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0079

出版社内容情報

亡友の家で待っていたのは四季折々の草花と、ちょっと不思議な毎日でした。時は明治時代、文筆家・綿貫征四郎は、亡友の家の「家守」として暮らすことになった。待っていたのは白木蓮や都わすれ、萩、サザンカなど植物に満ちた庭。そして、サルスベリに懸想されたり、河童の衣を拾ったり、化狸を助けたりといった不思議な出来事が次々と起こり……。梨木香歩の傑作小説を近藤ようこが漫画化。


【目次】

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

97
この漫画は、小説の纏う摩訶不思議で古風な空気を具現化している。章毎にテーマとなる植物が描かれていて、読みやすい。琵琶湖で行方不明になった高堂に誘われ、湖底の世界に迷い込む。そこで見たものは湖底から眺めた水面であった。漫画・小説の終わりに綿貫は悟る。作家は物語を書けると確信する。たぬきや獺、小鬼などが人に化けて、綿貫とのやり取りが楽しい。日本の里山で失われてしまった物の怪を畏れつつ、それを受け入れる態度が懐かしく感じられる。また文字だけの小説に戻ってみたら、どう感じるのだろう。原作に忠実な良質な漫画でした。2026/01/04

chimako

74
良かった~ 楽しく嬉しくしんみりした一時をありがとうございました。これは手元に置いて好きなときに取り出して読みたい。綿貫も呟くけれど、ゴローって本当にいったい何者?優れもの過ぎて頭が下がります。人が人として、人ではない何者かが、人と何者かの子どもたちが自由に行き来できた世界は失われてしまったのか。長虫屋や何事にも動じないはなさんのような人。植物にも命が有り感情が宿る、その事を忘れそうになる日々に膝を正す思いです。近藤さんにはシリーズの続きも描いてほしいなぁ。待っています。2025/12/04

ネギっ子gen

63
【思い込みは恐ろしい。だが、とりあえずは思い込まねばな】夢と現のあわいを彷徨うような日々が綴られた記録の続き。ゴローは有名な仲裁犬。征四郎が、「ゴローが、河童とサギの争いの仲裁をしたと云っていたな」と訊けば、高堂は、「あの一件が世評高く迎えられ、揉め事があるたび呼ばれるようになった/まずサギが空にて吹聴し、河童が沢で述懐した。サギと河童と云えば仇敵同士というようなものだ。それを納得ずくで引き分けにさせたというのだから大したものだ」と。そのことを聴いた征四郎は「引き較べて己の小ささが思われてならない」と。⇒2026/09/27

天の川

62
下巻は読み終わるのがもったいなくて、ゆっくりゆっくり読んだ。亡き高堂の家(多分、山科あたり)の家守として暮らす綿貫征四郎の日々の生活は相変わらず精霊たちとの共生で…。小鬼、むじな、カワウソに長虫屋。不思議な出来事をごく普通に受けとめる隣の奥方や和尚。精霊や神が往来する中、何も語らずしっぽを振る犬のゴローの何と心強いことか。梨木さんの小説の世界が具現化されつつ、近藤作品には余白がある。とても好き。2025/10/29

へくとぱすかる

57
つかのま近くて遠い時代に呼吸する。怪異が日常とすぐ隣り合わせであった「ほんの」百年前。汽車や疏水という近代のインフラも電灯もある家に住みながら、里山の自然から花を見て食材を拾う。駅に近く汽笛が聞こえる他は鳥の声、風のささやきを耳にする程の静かな家を、ひたすら雑文を書きながら守る生活。不思議さの波紋もいつしか日々の時間の中に積み重なり、いずれは綿貫の住んでいたことも、地層のように解読の難しい記憶となっていくのだろう。ここに再現された時の光跡を「懐かしみ」ながら訪ねてみたい。綿貫の見た疏水は今も流れている。2025/11/03

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