受け手のいない祈り

個数:
電子版価格
¥2,090
  • 電子版あり

受け手のいない祈り

  • 在庫が僅少です。通常、3~7日後に出荷されます
    ※事情により出荷が遅れたり、在庫切れとなる場合もございます。
    ※他のご注文品がすべて揃ってからの発送が原則となります(ご予約品を除く)。
    ※複数冊ご注文はお受けできません。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷予定日】
    ■通常、3~7日後に出荷されます

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫状況は刻々と変化しており、ご注文手続き中やご注文後に在庫切れとなることがございます。
    ◆出荷予定日は確定ではなく、表示よりも出荷が遅れる場合が一部にございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ A5判/ページ数 240p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103557326
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

他人の命のため、自らの命を削る。過酷な救命の現場を描く、魂の衝撃作。感染症の拡大を背景に周囲の病院の救急態勢が崩壊する中、青年医師・公河が働く病院は「誰の命も見捨てない」を院是に患者を受け入れ続ける。長時間の連続勤務による極度の疲労で、死と狂気が常に隣り合わせの日々。我々の命だけは見捨てられるのか――芥川賞受賞の気鋭が医師としての経験を元に描いた、受賞後初の単行本。

内容説明

「誰の命も見捨てない」を院是に掲げる大阪近郊の総合病院の青年医師・公河は、別の病院の産科医だった医大時代の同期が過労死したことを知った。だが感傷に浸る間もなく、患者は次々に運び込まれる。感染症の拡大で医療体制が逼迫し、近隣の病院は夜間救急から撤退、公河たちの病院が最後の望みになった。徹夜での治療や手術が続き、70時間を超える連続勤務で公河たちの身体と精神は限界に。命を救った患者たちは日常に戻るが、自分たちはこの地獄から出られない―。医師の経験と驚異の想像力で話題作を次々と発表する作家が、命と魂の相克を描く。

著者等紹介

朝比奈秋[アサヒナアキ]
1981年京都府生まれ。医師として勤務しながら小説を執筆し、2021年、「塩の道」で第7回林芙美子文学賞を受賞しデビュー。2023年、『植物少女』で第36回三島由紀夫賞を受賞。同年、『あなたの燃える左手で』で第51回泉鏡花文学賞と第45回野間文芸新人賞を受賞。2024年、「サンショウウオの四十九日」で第171回芥川龍之介賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hiace9000

129
これまで多く読んだ医療小説の中で最も苛烈な医療現場を、おそらく最も実態に近い高い再現性で描いた作品ではなかろうか。医療現場における医師の過酷な過重労働、人を救うために過労死すらスルーされてしまう救命現場の相克に晒される―まさに地獄図は、読みながら内臓がせり上がってくるような苦しさ。「誰の命も見捨てない」という言葉の放つ畏敬と戦慄、それに被さってくる重い疲労感。すべての人間を救おうとするのは聖者か狂人か。それとも他人の命を救うために死んでいく戦地に赴く軍人か。魂の叫びは祈りとならず。これは衝撃の一作である。2025/05/18

シナモン

113
壮絶だった。読み進めるのが辛くなる。毎日ギリギリの綱渡りでなんとか保たれてる救急医療。そこに携わる医師たちのあまりにも過酷な現実。患者の命と医師の命。医師への尊敬の念を新たにする一冊だった。2025/04/16

いつでも母さん

107
全ての医療現場がこうだとは思いたくはない。が、限りなく近い現状があるのだろう。ブラックもブラック、これじゃあ壊れちゃうよ。朝比奈さんに凄いのを読まされちゃった。何処まで行っても凄いのだ。永遠に続くと思われる闇だ!沼か・・「見捨てたのは誰?」病院の理念は素晴らしいけれど本末転倒にならないか?医師は機械ではない、人間なのだ。そして、その現場の一端を私たち患者やその家族はどこまで知っているだろう・・2025/06/04

ナミのママ

91
同期の女医が過労死したところから始まりブラックすぎる医師の日常が書かれている。近隣の病院が救急を受け入れなくなり、患者がどんどん回されてくる。同僚の医師は辞めていく。「誰の命も見捨てない」を看板にあげる病院は、働く医師の命には冷たい。底辺のブラック企業で働く人と違い、主人公は手に職があり転職も可能だが辞めない、自らを虐めるように心身共に疲弊していく。患者を背負っていたら自害もできないと語る同僚との会話。極限を超えた時に人の肉体は、精神はどうなるのか。ひたすら内に内に向かう文体に恐ろしさを感じて読み終えた。2025/04/09

ケンイチミズバ

78
経営難や人手不足、そこに働き方改革までくれば夜間の救急外来の受け入れ廃止、産婦人科も廃止する病院が出て来る。そうなるよねで救急車は全て信念を曲げない総合病院が受け入れる。無理がさざ波のように押し寄せ、波なら押したら一度引くが押し寄せるばかり。非難されようがある程度のサービスを捨てることで成される働き方改革の矛盾。それが病院ならば、命の選別もアリな社会の到来、衰退とも受け取れる。どんな組織も同じ。誰かの負担軽減は誰かの負担増によってもたらされることの方が多い。責任感や職業意識の高い者は心身ともに壊れる。2025/05/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22486927
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品