出版社内容情報
他人の命のため、自らの命を削る。過酷な救命の現場を描く、魂の衝撃作。感染症の拡大を背景に周囲の病院の救急態勢が崩壊する中、青年医師・公河が働く病院は「誰の命も見捨てない」を院是に患者を受け入れ続ける。長時間の連続勤務による極度の疲労で、死と狂気が常に隣り合わせの日々。我々の命だけは見捨てられるのか――芥川賞受賞の気鋭が医師としての経験を元に描いた、受賞後初の単行本。
内容説明
「誰の命も見捨てない」を院是に掲げる大阪近郊の総合病院の青年医師・公河は、別の病院の産科医だった医大時代の同期が過労死したことを知った。だが感傷に浸る間もなく、患者は次々に運び込まれる。感染症の拡大で医療体制が逼迫し、近隣の病院は夜間救急から撤退、公河たちの病院が最後の望みになった。徹夜での治療や手術が続き、70時間を超える連続勤務で公河たちの身体と精神は限界に。命を救った患者たちは日常に戻るが、自分たちはこの地獄から出られない―。医師の経験と驚異の想像力で話題作を次々と発表する作家が、命と魂の相克を描く。
著者等紹介
朝比奈秋[アサヒナアキ]
1981年京都府生まれ。医師として勤務しながら小説を執筆し、2021年、「塩の道」で第7回林芙美子文学賞を受賞しデビュー。2023年、『植物少女』で第36回三島由紀夫賞を受賞。同年、『あなたの燃える左手で』で第51回泉鏡花文学賞と第45回野間文芸新人賞を受賞。2024年、「サンショウウオの四十九日」で第171回芥川龍之介賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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