出版社内容情報
表現の自由か、差別への加担か。校閲者たちの煩悶と戦いは止まらない! 校閲部の丹沢が受け取った、社外校正者からの一通の手紙。小説のゲラを読み、LGBTQの観点から表現を改めるべきではという鋭い指摘が――。ゲラの向こうにいる編集者、そして物語を書いた作家を相手に校閲者はどこまでできるのか!? ときに変態的執念で文字を追い、ときに作品世界の深部に迫る校閲者たちの物語?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shio
47
小さい文字が読めなくなってきた今日この頃。校閲の場面を想像するだけで酔ってしまうけれども、やはり奥が深くて面白い!!タイトルとか、大きなところだからこそ誤字を見落としてしまうって、分かるな〜。絶対やってまうわ。三省堂や新明解、明鏡国語辞典や、人名事典、近代文学大辞典など、校閲部員によって愛用する事典にもいろいろあって興味深い。編集VS校閲も、それぞれに作品を思うからこそなんですね。モデルになってる新潮社の社食、関係者として行ってみたい✨安くてちょっと個性的なメニューも素敵!梅干しグラタン、気になる〜!!2025/04/30
ネギっ子gen
36
【文は人だから】校閲者の日常を軽妙に描くコミック、第2弾。今回は「外校さんからの手紙」が良かった。外校とは社外校閲者のことで、この社では一つの作品のゲラに対し、社員校閲者と外校合わせ3名が目を通す。LGBTQがテーマの作品だが、外校さんから手紙で「差別を認める表現になっている」という指摘を受けた男性校閲者は、「会社も一度、それで問題になってますが、どこか話題を避けがちですよね」と話す。新潮社校閲部が舞台ですから、2018年にLGBTQへの表現が差別的だとの批判を受けた月刊誌「新潮45」のことでしょうね。⇒2025/07/21
oldman獺祭魚翁
28
子のエピソードもっともっと読んでみたいのだが、今後はWebということ……いやいやもっともっと紙で出して欲しい。校正だけでなく校閲と言う興味深い分野だから、もっともっと知りたい。お願いしますよ新潮社さんm(__)m2025/05/31
阿部義彦
22
小説新潮での連載漫画これにて雑誌連載は終了ですが、webにて引き続き連載するとの事です。1巻では基本的な漢字や語句、事実確認、など想像の範囲でしたが、この巻では、更に表現の内容やポリコレ、差別にも踏み入って、前後編と長くなり編集者も入り交じっての本当にここまでやるのか?の実に面白く勉強にもなりました。因みに外校の丸山ちゃん、パンク、オルタナロック好きで実にタイプです。インドア派に見える丹沢君の趣味が山歩きなのは、安西水丸さんの影響なのですね、素敵です。編集の叶さんも校閲部に関する見方も変化。九重さん渋い!2025/03/04
まさおか つる
17
この物語は⋯⋯ 老舗出版社「新頂社」の校閲部で働く九重さん。新人・瑞垣さんの面倒を見ることになり、文芸校閲の奥深き世界に自らも迷い込みながら今日もゲラを見続ける。百年後も残る一冊を作るため−−−−−−。2025/06/15