出版社内容情報
コトバの最尖端を疾走し続けてきた詩人が新たな沃野に向かう第12詩集! 《だから空がとても赤く燃えている。ぼくは愛されたい。》――今、ここにいる私たちの魂の秘密は、詩のコトバによってしか解き明かすことができない。《どこからなら、きみを連れ去る神様の手のひらがやってきても平気か、教えて。水平線か、地平線?》生命と世界の光と影をあますところなく照らし出す決定的な42篇。
内容説明
好きだと思う瞬間、流れ星になる。人間のあらゆる感情は美しい言葉となる。詩の沃野の最尖端を疾走し続ける43篇。
目次
流れ星の詩
浜辺の詩
透明な水
大晦日の詩
天国は秋の季語
放課後婚
つらら
星座卿
赤色の詩
薔薇
讃美歌
森
紫陽花の花束
世界線
川じゃない
死なば諸共とろろ
戦争
生前の夏
氷の詩
窓際の詩〔ほか〕
著者等紹介
最果タヒ[サイハテタヒ]
詩人。1986年生まれ。2004年よりインターネット上で詩作をはじめ、翌年より「現代詩手帖」の新人作品欄に投稿をはじめる。2006年、現代詩手帖賞受賞。2007年、第一詩集『グッドモーニング』を刊行。同作で中原中也賞を受賞。以後の詩集に『死んでしまう系のぼくらに』(現代詩花椿賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
189
コロナ禍によるソーシャルディスタンス、ロシアによるウクライナ進攻を経たためか、届かない言葉や思い、無慈悲な戦争が詩になっている。怒りにも似た激しい言葉が、僕の心に強く打ち突ける。心臓が共鳴し、僕の心音は不整になる。これは、令和時代の中原中也だ。2024/07/21
シャコタンブルー
55
暑い。蒸し暑い。本を読む気力が・・こういう日は重厚な作品よりもサクサクと読める詩が最適だ。かつ丼よりそうめんを食べたい気分(笑) 相変わらずの鋭い切り口や独特の表現に魅了される。今作は「死」「血」「心臓」というキーワードが多かった気がする。執筆時にウクライナ戦争が勃発したのも作品に影響しているのかも知れない。「爆撃機に乗って 」は戦争の矛盾、愚かさ、責任の所在「お前は誰だよ」どうにもならない現実を突きつけられた。2024/07/05
tenori
42
最果タヒさんの第12詩集は恋愛的な要素よりも社会的メッセージ性が強い印象。例えば『爆弾機に乗って』という作品。タイトルは戦争を想起させるし、実際にそうとも読み取れるのだけれど、SNSで個人情報を曝す行為や誹謗中傷、差別や偏見、苛めに対する警鐘なのかなとも感じられる。価値観とか正義は世界中に存在している人の数だけあって、それは詩をどう解釈するかってことにも似ているように思う。「よくわからないけど何か気持ちが動くよね」くらいの感覚を最果タヒは許容してくれる気がするし、だから彼女の言葉に触れたくなる。 2024/12/04
ゆっき
28
初読みの詩人・最果タヒさん。美しい言葉が散りばめられた43篇。初めの「流れ星の詩」からグッと心を掴まれた感じ。「地平線の詩」もお気に入り。短い言葉で紡がれた詩の方が私には届くようです。2024/06/24
いちろく
18
あとがきの書き出しで、「きみの心音になりたい」と記した著者の詩集。常に掌編小説を読んでいる感覚だった。タイトルの名をかした詩はなく、全体を通して付けられたと思われる本のタイトルも中々。2024/08/28
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