出版社内容情報
100パーセントの恋人たちへ――村上春樹と台湾の画家が描く瑞々しい世界。世界中の読者に愛され、朗読される表題作と「鏡」。二つの超人気短編が、瀟洒なアート・ブックに! 物語は「昔々」で始まり、「悲しい話だと思いませんか」で終わる――ある朝、原宿の裏通りで少年と少女が偶然出会い、恋に落ちる。しかし二人の運命は……。若手画家と短編の村上ワールドが心地よく響き合う美しい一冊。
内容説明
著者自身が初期短編より人気の2編(表題作と「鏡」)を選び出し、台湾の人気イラストレーターがその世界を繊細に描くピクチャーブック!高妍、全点新作描き下ろし。
著者等紹介
高妍[ガオイェン]
1996年、台湾・台北生まれ。台湾芸術大学視覚伝達デザイン学系卒業、沖縄県立芸術大学絵画専攻に短期留学。イラストレーター・漫画家として、台湾と日本で活勤。村上春樹の『猫を棄てる 父親について語るとき』(文藝春秋)で装画と挿絵を担当。主著に『緑の歌-収集群風-』、『隙間』(以上KADOKAWA)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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starbro
164
私はハルキストでも村上主義者でもありませんが、村上春樹の新作をコンスタントに読んでいます。本書は、村上春樹の初期短篇2作と台湾の人気イラストレーター高妍とのコラボによるピクチャー・ブックでした。表題作のイラストは美男美女でないので好きではありません(笑)「鏡」は何故か猫が何度も登場するので好きです。 https://www.shinchosha.co.jp/book/353438/2025/02/26
優希
49
春らしさのつまった作品でした。イラストが物語を彩りながら、また違う物語を奏でているように思いました。小説と挿絵というそれぞれの「存在」として成り立っている。美しく印象的な1冊でした。2025/03/17
ぐうぐう
33
村上春樹と高妍のコラボ第二弾。今回は春樹の初期短編に高妍がイラストを添えるという趣向。けれど高妍は、単に小説に添えるだけの絵に留めることをしない。大胆にもそこにストーリーを(あるいは感情を)滲ませるのだ。その相乗効果が素晴らしい。絵の魅力は当然のこととして、村上春樹という憧れの存在を前にしても決して臆することなく、自身の才能を伸び伸びと発揮させるしなやかさが高妍の魅力であることを村上春樹は知っているからこそのコラボなのだろう。2025/03/06
えも
23
村上春樹さんは何だかんだと読んではいますが、これらの初期短編は未読でした。それに高妍さんも、話題になったことは知っていてもコミックを読んだことはありませんでした▼そうした中、図書館に入ったので借りてみましたが、比較的ピュアで「やれやれ」感のない村上さんは新鮮で、そして丁寧な高妍さんの画風は印象に残りました▼とはいえ、通りすがりの好い香りのように、すぐに忘れてしまうんだろうなあ。2025/04/20
フム
22
図書館本。村上春樹、初期の人気短編。台湾の若手イラストレーターとのコラボで。やさしい絵に癒される。贅沢な一冊。2025/05/04