内容説明
道はあくまで険しく、天候はあくまで厳しく、食事はあくまで粗食で…。エーゲ海から峻険な2000メートルのアトス山が切り立つ半島を、修道院に泊まりながらひたすら歩くギリシャ編。一転、四駆の車に乗りこみ、海峡を抜けて、兵隊だらけ、危険と埃と羊がいっぱいのトルコ東部の国境地帯へ―雨にも負けず埃にもめげず、タフでワイルドでハードな冒険は続く!ギリシャとトルコの辺境をめぐる作家と写真家のタフな冒険旅行記。
目次
アトス―神様のリアル・ワールド(さよならリアル・ワールド;アトスとはどのような世界であるのか;ダフニからカリエへ;カリエからスタヴロニキタ;イヴィロン修道院;フィロセウ修道院;カラカル修道院;ラヴラ修道院;プロドロムのスキテまで;カフソリヴィア;アギア・アンナ―さらばアトス)
チャイと兵隊と羊―21日間トルコ一周(兵隊;パンとチャイ;トルコ;黒海;ホパ;ヴァン猫;ハッカリに向かう;ハッカリ;マルボロ;国道24号線の悪夢;国道24号線に沿って)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
12
前回のあらすじ。「辺境・近境 写真篇」前書きで村上氏が言及している【写真集「雨天炎天」】を求めて彷徨い、途方に暮れる。新潮社に問い合わせた訳ではないが、Googleではヒットしない。***そして本書に辿り着いたのだ。書影は函です。中にギリシア篇、トルコ篇、二冊の本がある。文章と写真の比率はほぼ五分五分。同社校閲部をスルーした【写真集】とは、大型本版の同書のことだと思う。数年後、一冊にまとめた単行本版も発売されていて、クレジットに松村氏の名前が並ぶものの、カットの変更並びに増減があるか否かは現在不明である。2018/01/16
c3po2006
3
★★★★2016/12/17
ヘビメタじじい
1
旅行記ってのは、事実だけでひきつけられるからなあ~。久しぶりに読んだ春樹の文体が心地良かった。ギリシャもトルコも歴史、長く続く引きずってきているものが分かって興味深かった。修道院について、その精神性の高さに打たれるものがありました。2010/07/31
masahiro
0
エッセイはこれが一番好き。牛肉と玉ねぎをさっと炒めて食べたくなる(笑)。
iaraumi
0
私が手元に持っている本は、TURKEYチャイと兵隊と羊-21日間トルコ一周という四角いハードカバーの本。108ページ。見つけられないと思ったら、ギリシャ版と2冊で一セットみたい。なにはともあれトルコの辺境を1990年(前年?)に村上さんとカメラマン松村さんが車で旅した本でした。なかなか物騒な状況の中、チャイで文章をひょうひょうと書く村上さん。かっこいい。今はもう昔なのかもだけれど、トルコのイメージが伝わってきたのでした。沢木さんの本にも普通に出てきた「ケマル・アタチュルク」がここにも。覚えておくべしだね。2014/10/28