出版社内容情報
幕府の許可なくば出入りのできない〈孤島〉に隠され続けた、禁忌と悲願とは。光太は念願の内通詞となり、謎の言葉を遺し出島で逝った母の死の真相を探ろうと試みる。しかし奉公先の番頭や内通詞の先輩はいい顔をせず、知り合った遊女やオランダ商館の使用人も何かを隠しているようで……。唯一無二の流儀を持つ土地から放たれる妖しい力が謎解きの愉しみを倍加する、傑作時代エンタテインメント!
【目次】
内容説明
光太は、謎の言葉を遺して逝った母の死の真相を探るため、念願の内通詞(通訳)となる。しかし奉公先の若旦那や内通詞の先輩はいい顔をせず、出島出入りの遊女やオランダ商館の使用人も何かを隠しているようで…。独自の流儀を持つ土地が謎解きの愉しみを倍加する、傑作時代エンタテインメント!
著者等紹介
永井紗耶子[ナガイサヤコ]
1977年、神奈川県出身。慶應義塾大学文学部卒。新聞記者を経て、フリーランスライターとなり、新聞、雑誌などで幅広く活躍。2010年、『絡繰り心中』で小学館文庫小説賞を受賞し、デビュー。2020年に刊行した『商う狼 江戸商人 杉本茂十郎』は、細谷正充賞と、本屋が選ぶ時代小説大賞、2021年、新田次郎文学賞を受賞した。2023年、『木挽町のあだ討ち』で山本周五郎賞、直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チーママ
59
オランダとの交易の舞台だった出島。その小さな世界で働き、生きていかねばならなかった人々の光と影をミステリタッチで描いた物語。ある事情で出島遊女になり謎の言葉を遺して死んだ母。その真相を探るため内通詞になった光太だったが…。お上の都合で法も変わる中、それに振り回されまいと異国とお上の間でゆらりゆらりと身を躱しながら商いをする強かな出島の男たち。異人との間に生まれ外では生きられぬ遊女。商館員として出島で一定期間働くオランダ人やバタビア人の孤独。それぞれの思いが渦巻く出島はまさに万華鏡のようで読み応えがあった。2026/10/27
信兵衛
25
考えようによっては、窮屈な場所である一方、世界に向かって開けている場所がこの長崎の街であり、出島だと言えます。 そうした特別な場所を舞台に描く、時代物サスペンス、冒険譚。 途中までは、単に珍しい場所を舞台にした時代小説というだけのことかと思っていたのですが、最後で永井さんにヤラレタ、という気分。読後感は爽快、気持ちが晴れ渡るようでした。お薦め。2026/10/22
さとか
24
長崎の出島にて、商談のための通訳を生業とする主人公。鎖国下での出島は、唯一外との繋がりを保てる場所。故、通常では考えられない富が転がる一方、出島独自のルールや筋を通さねばここでは生きていけない…。主人公は出島の併せ持つ自由とシビアの二面性を、国籍を超えた周りの人々に翻弄されつつ学んでいく。物語のテーマは「主人公の母はなぜ殺されたのか?」を解明していくのだが、中盤でその謎は解き明かされ、寧ろ中心は出島を生きる人々の人生の決断についてが描かれる。こういう話は大好物だけど、出島に興味がないと途中しんどいかも。2026/10/16
そうたそ
13
★★★☆☆ 遊女であった母が謎の言葉を残して死んだ。息子・光太はやがて通詞となり、母の死の真相を探ろうと試みる。異国の文化も交じる長崎・出島を舞台としたサスペンスの香りも漂う時代小説。テーマ選びにいつも新しさが感じられる著者の作品だが、幕府の許可なしに出入りできなかったという、当時でも極めて特殊な場所であったという長崎出島を舞台としたストーリーに興味を惹かれた。時代小説ながら、サスペンスの面白みもあるという、他ジャンルも絡めながら描いていく手法は著者の作品ではお馴染み。一風変わった時代小説として楽しんだ。2026/10/24
H
2
時代設定を借りたミステリーは著者の真骨頂で面白かった。出島については知らないことばかりで興味深かったし、希望のあるラストが良かったね。2026/11/04




