出版社内容情報
定時の女王・東山結衣の新たな敵は、残業が大好きな部下!?立ち上がった結衣は、社内政治に巻き込まれ……。大人気シリーズ第三弾!
内容説明
ネットヒーローズに大きな嵐の予感。不要な残業をしたがる若手に手を焼く結衣だったが、その本音を知り、人事評価制度の改善を提案することに。しかし、思いがけず社内政治に巻き込まれてしまい―。
著者等紹介
朱野帰子[アケノカエルコ]
1979年東京都生まれ。2009年、『マタタビ潔子の猫魂』で第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞。15年、『海に降る』がWOWOWでドラマ化される。18年に刊行した『わたし、定時で帰ります。』は働き方改革が叫ばれる時代を象徴する作品として注目を集める。その後刊行した続篇『わたし、定時で帰ります。ハイパー』(文庫版は『わたし、定時で帰ります。2 打倒!パワハラ企業編』に改題)と併せてTBSでドラマ化されたことでも大きな話題に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
268
生活残業問題を取り上げたようでいて、実は創業メンバーとの収入格差がクローズアップされ、結衣の敵役となりそうな社内役員が出てくる伏線にもなっている。色々とトラブルを盛り込んで飽きさせない構成ではあるのだが、ただ、すべての原因を残業に持っていきすぎていて、若干醒めた目で読んでしまう。支社の案件が炎上した理由は他にもっと根本的な何かがあるはず。なんだかんだいいながら、結衣が会社のロールモデルとして御輿に乗ってしまっているのも拭えないモヤモヤのひとつ。たしかにここまで定時定時といわれ続けるのは息苦しそうだと思う。2023/09/30
のぶ
138
シリーズの三作目だが、前からの流れもあり、最初から読まないと分かり辛いところがあるので、第一作から読む事をお勧めします。前作で管理職になった東山結衣は、相変わらず定時での退社を貫いている。そんな中で手当欲しさから、残業したがる若手社員が存在する事に気づく。結衣は、給料アップを目指し、人事評価制度の改革を提案することになる。恋人だった晃太郎との関係もようやく婚約まで発展した。第一作からポリシーを貫いているのは良いが、辛口な部分は、本作ではお金に関する描写が多すぎ、もう少し人間ドラマを読みたかったのも事実。2021/05/05
kotetsupatapata
133
星★★★★☆ シリーズ第3作は「残業代」がテーマ 確かに時間外手当があるのと無いのとでは手取りがだいぶ変わってくるから、若手の言い分も理解できるな~ 勿論無駄な居残りはダメですけどね。 なんて言えるのは小生がシフト制でほぼ定時で終わる仕事に就いているからかな? 今作でも晃太郎のワーカホリックぶりは相変わらずでした。 正直ぬるま湯に浸かっている小生には全く理解出来ないし、こんなんじゃ結衣を幸せにする事も出来ないんじゃないかな? ちょっと小生とは違う世界の話でしたが都会の会社員は大変だ~2021/08/05
tetsubun1000mg
129
2作目まで読んでまだネタがあるのかと思っていたが、いろんな残業の悩みが出てくるなあ。 IT系の会社はこんなことが多いのが現状かな? 前半は会社の日常とグチ話の様な展開だが、中盤からは会社全体を巻き込まないと残業がなくならないことに気が付く。 終盤は出来すぎの感もあるが、社長の経営戦略を絡めて奥の深いストーリー構成ともいえる。 最後まで楽しめたのだが、終わり方からすると自作もありそうなまとめ方。 女性役員まで突っ走るのか?2021/07/08
Yunemo
119
働き方改革で得たもの、プライベート重視の生活、有休の取りやすさ、健康的な生活。失ったもの、残業代、モチベーション。確かにね、何へのモチベーションが失われたのか。働く意味なのかな。会社が利益を上げなければ給与として配分されないし。どうもこのあたりのモヤモヤ感が蔓延し始めているような。本作、いろんな要素が含まれ過ぎてます。効率性を求める終着点は、終着は会社がつぶれれるとき。ゴーイングコンサーンが法人としての会社も、そこに働き生活の糧を得ている従業員も、それぞれに願うこと。今、何が足りないのかな、との想いにも。2021/07/04
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- 和書
- 白い光の午後 文春文庫