出版社内容情報
奥野夏樹の元には額装不可能な依頼ばかりやってくる。そのどれもがいわくありげな物で――。『思い出のとき修理します』著者最新刊。彼女は額装師。手放せない想いに、ふさわしい居場所をつくるひと。『思い出のとき修理します』著者最新刊。事故で婚約者を喪った額装師・奥野夏樹。彼女の元には一見額装不可能で、いわくありげな依頼ばかりやってくる。ヤドリギの枝、小鳥の声、毛糸玉にカレーポット――。依頼人の心に寄り添い、時にその秘密を暴いてしまう夏樹。表具額縁店の次男坊・久遠純は、夏樹の作品の持つ独特な雰囲気に惹かれ、彼女自身にも興味を持つが。
谷 瑞恵[タニ ミズエ]
著・文・その他
内容説明
事故で婚約者を喪った額装師・奥野夏樹。彼女の元には一見額装不可能で、いわくありげな依頼ばかりやってくる。ヤドリギの枝、小鳥の声、毛糸玉にカレーポット―。表具額縁店の次男坊・久遠純は夏樹の作品の持つ独特な雰囲気に惹かれ、やがて彼女自身にも興味を持つのだが…。『思い出のとき修理します』著者が紡ぐ、心温まる手仕事小説。
著者等紹介
谷瑞恵[タニミズエ]
三重県生まれ。作家。1997年、『パラダイスルネッサンス―楽園再生』でロマン大賞佳作入選しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
144
図書館本。額装師を生業とする主人公が依頼人の想いを額にという話。もう少し額の知識があるのかなと思ったが人間の過去を掘り下げる話でちょっと嵌まらなかった。すいません。2018/04/25
シナモン
143
小箱の中にそっとしまっておきたいような思い出もあれば額に入れて見えるところに置いて安心する思い出もある。絵だけじゃなく思い出までも額装するとは。曖昧なものにきちんとした形を与えるのが額~今までそんな風に額縁を見たことがなかったので新鮮でした。「いつでも正しいことだけできるわけじゃない。罪悪感をかかえても、選ぶしかないこともある」夏樹の過去は痛ましいものだけど、それがあるからこそ今がある。みんな繋がっていくんだな。2021/09/20
タックン
107
(額を紡ぐひと)、額装師なる職業があるのを初めて知りました。依頼人が入れたいものをオーダーメイドで額で封印する。でも夏樹さんの仕事ぶりから頼んだら自分の隠された秘密が裸にされそうで怖いかな。額の話と並行で3人の主人公の3人が微妙に絡んだ過去の秘密の話がメインで進行していく・・・それを額を通してミステリーのごとく紐解かれていく。でも3人とも精神的にかなりやられてるようでどうも話が重く読むにはきつかった。特に夏樹は純粋すぎて・・。最後は額で過去を封印して3人ともそれなりに前に進めたようでよかったかな。2018/04/14
みかん🍊
104
身近な人、大切な人を失くした人は悲しさ寂しさと共に後悔する、どうして自分だけ生き残っているのか、生きている時にどうしてもっと大切にしなかったのか、様々な想いを抱えた人が一風変わった物の額装を依頼する5編からなる物語、額装師夏樹自身も婚約者を事故で失い彼の仕事を継いで一人見知らぬ街へやってきた、いくら協力者とはいえ依頼者の情報をそんなに純に話してしまっていいのかと疑問は残るが、隠された過去や気持ちを見透かされてしまうのは怖いかも、額装する事で時間を止めて新たに次へ踏み出せる。2018/04/24
itica
82
額装師、主にオーダーメイドの額を作る彼女が、何故転職をしてまでこの仕事を選び、この街に来たのか。そして彼女にまとわりつく表具額縁店の息子、カレー屋の店主が抱える心の闇が次第に明らかになる。額を依頼した人の内面や背景に迫り、依頼人の思いや心の傷が額の中に納まる。そんな風に額縁に付いて考えたことはなかったので、読んでみて初めて額を作る、ではなく紡ぐの意味が分かったように感じた。謎と不思議と翻弄される運命が主軸となり、辛い話ではあるが人の優しさと未来への希望が読後感を良いものにしている。 2018/03/18
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