出版社内容情報
俗世と隔絶された環境で千年以上続く祈り。女人禁制、撮影禁止の宗教自治国に生きる修道士たちの日常をとらえた、世界初の写真紀行。
内容説明
原始キリスト教の伝統を色濃く残すギリシャ正教の聖地。俗世と隔絶された環境で千年以上守り継がれた祈りの生活…世界遺産に登録されながら、今なお女人禁制の宗教自治国を初めて撮影。二千人の修道士たちの祈りの日々を追う、驚きと感動の写真紀行。
目次
第1章 アギオン・オロス・アトス
第2章 修道院の祈りと生活
第3章 冬のアトス 降誕祭
第4章 ケリに生きる修道士
第5章 「記憶」祈りのとき
アトス修道院に暮らして―性善説のキリスト教(日本ハリストス正教会司祭 パウエル中西裕一)
著者等紹介
中西裕人[ナカニシヒロヒト]
写真家。1979年、東京都杉並区生れ。日本大学文理学部史学科卒業後、外苑スタジオ、雑誌「いきいき」(現「ハルメク」)専属フォトグラファーを経て2015年独立。雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で活動中。2014年に洗礼を受ける(洗礼名ニコライ)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
59
息を呑む程に美しい風景が多数収められているが、所謂秘境写真集に非ず。ギリシャ正教の聖山アトスの利用ガイドであり、旅のルポルタージュ、ギリシャ正教入門書で宗教観の考察かつ、父と子の物語であった。澄んだ瞳を見ていると無宗教な自分が何やら損しているような気持ちに。2018/01/27
ann
49
村上春樹氏の「雨天・炎天」で初めて「アトス」を知り興味を持っていた。そんな諸兄には生唾ものの素晴らしい写真集。添えられている文章も同じく素晴らしい。ギリシア正教のこと、少しだけれど自分の人生の中で触れることができて素直によかったと思えた。 女人禁制(猫だけは別)は知っていたが、彼の地の領内にありながら、治外法権が認められ、独立した宗教自治国だというのは今回初めて知った。手許に置きたい一冊であるが、その性質上、とても高価なので断念。2020/07/04
テツ
26
ひたすら俗世間から隔絶しただただ祈りを捧げる生。己と主の存在を見つめ続ける毎日。派手さはないけれど澄み切った美しい狂気としか呼べない姿に信仰って本質的にファナティックなシロモノなんだということを再確認する。自分のためではなく他者のために祈る。祈りとはよりよい未来を求める行い。時間という概念に到達した我々人間にしか為し得ない素晴らしい精神活動であり、それを他者のために行うってよくよく考えたら凄まじい不思議さと美しさだよな。人間の極致ってこの道の果てにあるのだろうか。2017/12/17
紫羊
23
自らも日本ハリストス正教会の信者である著者が、司祭である父親とともに、ギリシャ正教の聖山アトスを巡礼した記録です。アトスの風景、修道士の表情…素晴らしい写真の数々、そして飾らない真摯な語りに感動しました。永久保存本棚に。2022/11/09
P太郎 ̄(=∵=) ̄
19
アトス半島は世界遺産に登録されているが女人禁制、俗世とは完全に隔絶されたギリシャ正教の聖地。千年以上前から続く祈りの場で、観光地化されず、内部の撮影禁止!父親が神父で洗礼を受けた筆者だけが撮影できたそこは、ハリポタをストイックにした原始的な共同体とでも言ったらいいのか…。ごはんは書いてある通り、美味しくなさそう…。荘厳な時間を超越した世界。2024/06/30
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