出版社内容情報
「ロマンチックなことが少なすぎるんだよ」 中毒者、ますます増殖中。六本木の路上で「おっぱい、足りてる?」とキャッチに声をかけられ、「足りてないけど、余裕がないんです」とテンパっていた夜。小学生の頃、ひどいイジメに遭い、「死にたい」と母に泣きつき、包丁を畳みに突き刺して言われたひと言。「ベスト・エッセイ」(日本文藝家協会編)選出作を収録、読者渇望の大人気エッセイ集。
内容説明
「ベスト・エッセイ2024(日本文藝家協会編纂)」収録。週刊新潮、大人気エッセイ集。
目次
余裕がないのだ。夢中なのだ。
頑なに働かない友人
結局、彼女は畳に告白した
「おっぱい、足りてる?」
いやらしくて美しい瞬間
「ラムちゃん、ひと筋でいく」
渋谷路上飲み狂騒曲
「寝るときは、これじゃないと」
「無駄太郎」の時代は終った
「おい、まだ帰らないのか?」
「ああ、帰りたい」
「ねー、もう寝た?」
特殊な経験をしているわたし
「エッチ妄想の交換日記をしませんか?」
相談相手は主にジョン
増し増しな人
「お客さま、ピットイ~ン!!」
「お客さん、TBSの『ラヴィット!』に出てますよね?」
「俺のファンはどう思うかな?」
はにかみながら「ほら、盗聴器!」〔ほか〕
著者等紹介
燃え殻[モエガラ]
1973年生まれ。2017年『ボクたちはみんな大人になれなかった』で小説家デビュー。同作はNetflixで映画化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sayuri
55
どんなに気忙しい日々でも、燃え殻さんのエッセイを読むと妙に心が落ち着く。ページを開いて最初に目に入る目次。各話のタイトルを眺めているだけで心躍る。これはズルい。すぐにでも読みたくなるタイトルのオンパレード。クスっと笑える話もあれば心打たれるエピソードもあって、そのたびに好きが増していく。難しい言葉は使われていない。遠い世界の話のようで、身近に感じる部分もあり、その塩梅がとても心地良い。全編良かったが、最も心に刺さったのは「人って、なんのために生きているんすか?」このエピソードだけで読んで良かったと思える。2024/12/13
アリスとアニー
41
燃え殻さんのエッセイ集。旅行先のホテルで読了。今回も安定の燃え殻節は健在で、思わず笑ってしまうようなものから、余韻が残るようなものまでテーマの幅も広く、読んでいて全く飽きないのが燃え殻さんのエッセイの好きなところです。読んでいて不思議と自己肯定感が上がっていくような読者体験でした。次回作も楽しみです。2025/05/03
あつこんぐ
35
図書館本。図書館で他の本を探していた時に気になり借りてきました。爆笑するというよりも思わずニヤッとしてしまう私好みの本でしたが、イジメを受けていた燃え殻少年(小1)がお母さんに「死にたい」と言った時の話には胸がぎゅうっとなりました。ちょっとネガティブで脱力系な感じが友達になれそうでいいです。燃え殻さんの他の本も読んでいこうと思います。2024/11/04
あじ
25
燃え殻さんのエッセイは素直で優しい。格好悪いことも恥ずかしいことも、反芻して文章化している真面目さを垣間見る。「僕はどの分野においても、胸を張れるほどの才能はないが、人に出会う才能だけはある」と綴っておられたが、それだけではないはず。出会った人を忘れないこと、想い続けることが繋がっていくのだから。誘い誘われ続けるって、お互いを大切に捉えていることだと思うから。時に苛立ち、傷つき、目を反らす日々に迂闊に読んでしまうと燃え殻症候群に罹る。でもその耐性は、明日を迎える日だまりワットに換算されると私は思っている。2024/11/28
ルシ猫
24
笑えて心に沁みる大好きな燃え殻さんのエッセイ集。 程よいどうしようもなさと切なさが心地よい。 心に刺さる言葉を書き留めながら、改めて燃え殻さんが好きだと実感。2025/03/04