出版社内容情報
「消えてしまいたい」それくらいの傷だらけで今日も生きている。決定的な出来事は、そんなに起きないけれど。待望の人気エッセイ集。
内容説明
「案外僕たちは、その行き着く先が同じだということを忘れがちだったりする」。「これはもうズルズルと行けるところまで、やってみるしかない」。週刊新潮連載の人気エッセイ、待望の書籍化。
目次
疲れると人間に会いたくなるのだ
「解放してあげるよ」
「いま、広島だよ」と打ち込んで、結局、中目黒で降りていった
世の中はとにかくミュージシャンに甘い
四十代も半ばを過ぎて
「暗証番号は1010、私の誕生日、10月10日」
チーム『それでも日々はつづくから』
「俺さ、井上陽水と飯を食ったことあるんだよ」
まーまー好きだった人
ナポリタン、インスタ映え前夜〔ほか〕
著者等紹介
燃え殻[モエガラ]
1973年生まれ。小説家、エッセイスト。2017年、小説家デビュー作『ボクたちはみんな大人になれなかった』がベストセラーとなり、2021年秋、Netflixで映画化、全世界に配信、劇場公開された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sayuri
96
『ボクたちはみんな大人になれなかった』『すべて忘れてしまうから』『これはただの夏』に続き燃え殻さんの作品を読むのは四度目。先の三作品は刹那的な生き方の中に切なさや物哀しさを感じそれはそれで好みだった。今作はその要素を残しながら随所にユーモアが感じられ燃え殻さんの心の声(本音)に笑いずっと共感していた。過去の出来事や、日常で起きた数々のエピソードを、飾らず自然体で書かれているのがいい。気怠げでゆるくて読んでいると身体に入っていた力が少しずつ抜けていく感じ。柔らかな空気感に包まれ生きる事がほんの少し楽になる。2022/09/22
M
74
燃え殻さん初読み。映画化された小説も読んだことなくて。エッセイが初でいいのかな。いっか。『ついてる人生とは、面倒な人と関わりが少ない星の下に生まれることなんじゃないかと真剣に思う』に膝を打った。あとは特にインパクトは残っていないけれど、そこがタイトルどおりであり、著者の持ち味なのかなぁと。陰キャのテイだけど社交的だしタフだなぁとふと感心しながら読んでいた(目立ちたくないと言いながら率先して目立つ方選んでいくし)。実は戦略的でちゃんとした気配がするから安心して読める。知らんけど。気負わずに読めると言える本。2022/09/18
シャコタンブルー
65
「これはただの夏」に続き、燃え殻さんは2作目。笑って泣けてどれも最高に面白いエッセイだった。蒸し暑い日には丼や揚げ物よりもそうめんやざる蕎麦を食べたくなる。読書も重いものよりアッサリとした物を読みたくなるが、その意味で本書は最適だった。さすが週刊新潮に掲載されているだけあって、文書にメリハリがありオチもあり読みやすい。少しも偉ぶったところが無く、何となく素朴な親近感を抱いてしまう。「誰も許さなくていい、生き延びてほしい。」は実体験からタイムマシンがあることを証明する哀愁と勇気をもらう素敵な話だった。2022/07/11
れっつ
40
彼の本を書店で見つけると、即座に吸い寄せられどうしても買ってしまう。これを燃え殻マジックと言わずして何と言おうか。今作は大橋裕之さんの装画・挿画がタイトルや内容ととてもマッチして、イラストの燃え殻さんもそっくりで、この上ない充実の濃密さである。仕事や恋愛、できないことしたくないこと、上手くいかない日常の中、気怠さと諦めと理不尽に心の内だけで吠える憤怒とを、低い温度で吐露しつつ、それでも生きてんだ!という存在感がある絶妙な観察眼と語り口。でも全ては最後の章に集約され、燃え殻さんの心髄に触れた気がして泣けた。2022/05/27
ゆるり
38
週刊新潮連載の雑記。イラスト、漫画もよく合ってる。ふんふんふんと、軽く読めるエッセイだ。読んですぐ忘れるような内容が多いが、何か芯のところ?だけが残る話もある、そんなエッセイ。まーまー好きだった人とか好き。2023/10/27