内容説明
『最後の秘境 東京藝大』著者、次なる探検先は「学生競技ダンス」だ!キレキレに踊れる小説家が、大学時代を捧げきった異世界にご案内。
目次
三歩でワルツ
笑え、もっと笑え、もっともっと笑え
地球の運び方
四千回のスクワット
優雅なる戦場
固定とシャドー
恍惚のフォーメーション
ドレスには魔法が宿る
主観でしか審査できない競技
立つプロ、歩くプロ
歌姫と怪人
勝者と敗者
いつか来た道
麻薬
著者等紹介
二宮敦人[ニノミヤアツト]
1985年東京都生まれ。「ALL一橋大学体育会競技ダンス部」卒(学部は経済学部)。2009年に『!』(アルファポリス)でデビュー。フィクション、ノンフィクションの別なく、ユニークな着眼と発想、周到な取材に支えられた数々の作品を紡ぎ出し人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばう
61
★★★ 競技ダンス部。そこは熱く濃密な時間を共有する仲間達のいる所だった。みんなで楽しく社交ダンスをするクラブという認識だったからこれほど大変だとは知らなかった。作者の分身、大船一太郎は大学に入って何も予備知識無しに入部したダンス部で仲間たちと練習に明け暮れるけれど良い面ばかりじゃない。純粋にダンスを楽しむというのとはちょっと違って大学生活全てを部活に捧げるぐらいの気持ちが求められているような感じがする。辛い事も沢山あった彼らだけれど競技ダンス部で活動したことは間違いなくみんなの財産になっていると思う。2022/02/27
ぶんこ
45
大学での競技ダンスの部活動を綴った私小説のようでした。私も大学で体育会系部活に打ち込んでいましたが、ここまで先輩が厳しくなかったので、これは指導といえるのだろうかと読んでいて苦しくなりました。後輩の時は我慢したのだから、先輩の立場になったら同じことを後輩に対してやるというのも共感できず。色々な部内の取り決めも共感できず、途中でギブアップ。2022/03/27
kou
40
競技ダンスが、こんなに奥深く、熱い世界だとは知らなかった。魅力的な部分だけではなく、しっかりと闇の部分にも焦点を当てており、興味深かった。見方によっては、異様な世界にも感じるが、それでも、こんな風に、何かに打ち込める青春を送ってみたかった(笑)。2020/09/04
まるほ
34
東京藝大の学生をとても面白くルポしていた『最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常』を大いに楽しんだが、その著者が今度は大学の社交ダンス部を描いた作品ということで興味を抱き、手に取った次第。▼著者の経験を踏まえて自叙伝の体裁で描く。大学の社交ダンス部というものは、“男女で社交ダンス”という甘い想像などとは全く異なる、熱く、時にはとてもツラい、もろ体育会の世界であった。▼なるほど、これはハマる人はハマるなー、という印象。皆さん、根性が凄い。▼全く未知の世界を知ることができました。2020/10/25
はじめさん
27
秘境・東京芸大の次はこれ。著者の実体験を基にしたであろう小説。学生時代、競技ダンス(社交ダンス)に打ち込んだ青年。先輩、同期、後輩といった人々の近況を訪ねるパートと、濃密な4年間の回顧録。 / 体育会の部活。1年で基礎を学び、様々なパートナーと踊って相性を確かめ、2年で先輩の決定によりパートは「固定」され、卒部までそのペアで戦う。男女比でペアになれなかった者はシャドーと呼ばれ、公式戦出場資格はなく、そこで自ら辞めたり、他校のシャドーと組んだりと道は様々。恋人同士でペア組んだり、ペアで踊るうちに交際に発展…2020/07/25